ハナロカード

ハナロカード：韓国の交通系ICカードの歴史と変遷

韓国の交通事情において重要な役割を果たした交通系ICカード「ハナロカード」をご存知でしょうか？1997年の試験運用開始から、韓国各地の交通機関で広く利用されてきたこのカードは、その歴史の中で幾多の変遷を遂げてきました。この記事では、ハナロカードの誕生からcashbeeとの統合、そしてサービス終了までの軌跡を詳しく紐解き、その歴史的意義を明らかにします。

ハナロカードの誕生と普及

ハナロカードは1997年9月7日、釜山広域市で試験運用が開始されました。その後、1998年2月3日には釜山市内を走るバスと地下鉄で本格的な運用が開始され、同年8月20日にはマウルバスや都市高速道路への利用範囲が拡大。釜山市民の日常生活に欠かせない存在となりました。

その後、ハナロカードの利用範囲は釜山にとどまらず、全国へと拡大していきます。2008年11月26日には慶尚南道梁山市、2009年1月10日にはソウル特別市、仁川広域市、京畿道へと利用エリアを拡大。さらに、2009年4月10日には済州特別自治道西帰浦市、済州市にも導入され、韓国各地で利用できる利便性の高い交通カードとして認知されるようになりました。

cashbeeとの統合とサービス終了

ハナロカードは、2012年4月1日、cashbeeという別の交通系ICカードと統合されました。これにより、ハナロカード単体での販売は終了し、cashbeeに対応したカードが新たに発行されるようになりました。この統合は、交通カードの利用効率向上と、利用者にとってより利便性の高いシステム構築を目指した結果と言えるでしょう。

cashbeeはその後も韓国の交通機関で広く利用されていましたが、2023年12月からはEZ-Link (イズル)へとシステムが移行しています。ハナロカードは、cashbeeへの統合によってその歴史に幕を閉じましたが、韓国の交通システムの発展に大きく貢献したことは間違いありません。

ハナロカードの利用可能範囲

ハナロカードは、cashbeeとの統合前、以下の地域や交通機関で利用可能でした。

釜山広域市: バス、地下鉄、釜山-金海軽電鉄、釜山地域タクシー、広安大橋、荒領山トンネル、水亭山トンネルなど
ソウル特別市: 広域バス、幹線バス、支線バス、循環バス、地域内バス、地下鉄
仁川広域市: 市内バス、地下鉄
京畿道: 道内全地域の直行座席バス、座席バス、一般バス、地域内バス、地下鉄
慶尚南道: 梁山市、金海市のバス、釜山-金海軽電鉄
済州特別自治道: 西帰浦市、済州市の市内バス

まとめ

ハナロカードは、韓国の交通システムの進化を象徴する交通系ICカードでした。その誕生からcashbeeとの統合、そしてサービス終了まで、韓国の交通事情の変化を反映しながら、長年にわたって利用者の利便性向上に貢献しました。ハナロカードの歴史は、韓国の都市開発と交通インフラ整備の歴史を物語る重要な一ページと言えるでしょう。

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