ハライブ

ハラーイブ：紅海に面した領有権争いの地

ハラーイブ（アラビア語: حلايب 、英: Hala'ib or Halayeb）は、紅海沿岸に位置する港町であり、エジプトが実効支配しています。しかし、この地はエジプトとスーダンが領有権を主張するハラーイブ・トライアングルの一部であり、複雑な歴史的背景を抱えています。

地理

ハラーイブは紅海リビエラの南端に位置し、美しい紅海の海岸線に面しています。周辺には、北西約30kmにアブー・ラマドの町、南東にはハダルバの村があります。また、中世の港の遺跡であるAydhabが近くに存在し、かつてこの地が交易拠点として栄えたことを物語っています。

紅海沿いにエジプトとスーダンを結ぶ道路沿いに位置し、エジプト側の「国境」の町であるエル・シャラテーンから南東へ約125kmの距離にあります。この地理的な位置が、ハラーイブが領有権争いの焦点となる一因となっています。

ハラーイブ・トライアングル

ハラーイブが位置するハラーイブ・トライアングルは、エジプトとスーダンが領有権を主張している地域です。エジプトは紅海県の一部として、スーダンは紅海州の一部として、それぞれ自国の領土であると主張しています。しかし、現状としてはエジプトが実効支配を行っています。

歴史的背景

ハラーイブ・トライアングルの領有権争いは、19世紀末にまで遡ります。1899年に締結されたイギリスとエジプトの間の協定では、この地域はスーダンの管轄下に置かれました。しかし、その後、国境線の解釈の違いから、両国の間で領有権をめぐる対立が深まりました。

1990年代に入ると、スーダンがこの地域での石油探査を許可したことをきっかけに、エジプトが軍事的に介入し、実効支配を確立しました。以降、エジプトはハラーイブ・トライアングルにインフラを整備し、住民の生活水準の向上に努めています。

現在の状況

現在、ハラーイブはエジプトの行政下で統治されており、エジプト軍が駐留しています。スーダンは、国際的な仲裁による解決を求めていますが、エジプトはこれを拒否しています。そのため、ハラーイブ・トライアングルをめぐる両国の対立は、依然として解決の糸口が見えない状況が続いています。

ハラーイブは、美しい自然と豊かな資源に恵まれた地域ですが、領有権争いという問題を抱えています。今後の両国間の対話を通じて、平和的な解決が図られることが望まれます。

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