ハリスの旋風
『ハリスの旋風』(ハリスのかぜ)は、
1965年から
1967年にかけて『
週刊少年マガジン』で連載された
漫画作品であり、
ちばてつやによって描かれました。この作品の特色は、
カネボウハリス(現在はクラシエ)によるスポンサーシップで、社名の使用が許可されたことです。作品の原型は、関谷ひさしの『ストップ!にいちゃん』であると、
漫画評論家の夏目房之介が指摘しています。
ストーリー
物語の主人公は石田国松で、屋台のラーメン店を営む一家の長男です。静岡での生活が困難で、乱暴者として知られていた国松は、家族とともに東京に引っ越します。上京後、名門ハリス学園の教員・岩波剛三と衝突し、彼をノックアウトしてしまいます。この出来事を見ていた学園長は国松の運動神経に目をつけ、彼に入学を勧めることになります。
当初は反発する国松ですが、園長の不思議な力に導かれ、結局入学を決意します。転校初日から国松は同級生と喧嘩を繰り広げ、そのスタイルや性格からさまざまな運動部からスカウトされます。部活動への参加条件として、「弁当を持参すること」として、彼のユニークなスタンスが見受けられます。同級生の葉子と意気投合し、仲間としての絆が形成されます。
国松は横地とのトラブルをきっかけに、剣道部、野球部、ボクシング部、そしてサッカー部でその運動神経を発揮し、いずれの部でも優勝を果たします。しかし、サッカー部では理事長のカスタード・プリンとのトラブルが発生し、国松は退学処分を受けます。しかし、多くの生徒たちの嘆願と国松自身の行動で、彼の退学は取り消され、サッカーの全国大会で優勝へと導くことができます。最終的にはアメリカの本校への留学が決まり、大規模な見送りの中で羽田から渡米することになります。
登場人物
- - 石田 国松: 主人公。口が悪く短気であるが、根は爽やかで弱いものいじめはせず、いつしか学園内での人気者となる。様々なスポーツで活躍する。
- - アー坊: 国松の弟。優等生で国松とは対照的な性格。
- - 朝井 葉子: ヒロインで新聞部の部長。強気で可愛い。
- - 岩波 剛三: 国松の担任教師。真面目でありながらも、生徒たちを見守る存在。
- - カスタード・プリン: 理事長としての威厳と臨機応変な判断力を持つ。
アニメ版は
1966年から
1967年までフジテレビで放送され、全70話が制作されました。放送当初はモノクロで、主人公の暴力的な性格が問題視されることもありましたが、高い視聴率を維持し続けました。その後、1985年には全話分の
DVD化が実現し、ファンの間で再評価されています。
『ハリスの旋風』は、主人公の成長や友情、運動に関する熱い情熱を描いた作品であり、さまざまな世代に支持されています。また、アニメ版の制作過程は試行錯誤が多く、視覚的なアプローチにも工夫が凝らされていました。このように、原作・アニメともに多くの人々に愛され続ける作品となっています。