ハリー・ハイルマン

ハリー・ハイルマン: 野球界の偉大なスラッガー

ハリー・ハイルマン（Harry Edwin Heilmann）は、1894年にカリフォルニア州サンフランシスコで生まれたアメリカのプロ野球選手で、右翼手として名を馳せました。彼のキャリアは、1910年代から1930年代にかけて、デトロイト・タイガースの攻撃を牽引するものでした。その打撃力から「スラッグ」と呼ばれる愛称でも知られています。

経歴の始まり

ハイルマンは1913年、ポートランド球団からデトロイト・タイガースに指名されてプロの道をスタートしました。彼は1914年にメジャーリーグデビューを果たしましたが、当初は目立った成績を残すことはできませんでした。しかし、1916年からは先輩選手であるサム・クロフォードの後継として出場機会を増やし、徐々に注目を集めるようになります。その中でも特筆すべきエピソードが、1916年7月にデトロイト川で溺れていた女性を救助したことで、一躍その名が広まりました。

打撃成績と飛躍

ハイルマンのキャリアが本格化したのは1919年で、シーズン打率が初めて3割を超えました。その後、1920年に訪れたライブボール時代を迎えると、タイ・カッブが彼に打撃指導を行い、飛躍的に打率が向上しました。特に1921年には、彼は打率.394という素晴らしい成績で首位打者となり、237安打でリーグ最多安打を記録しました。

彼の活躍は止まらず、1923年には再び打率.403で首位打者に輝き、その後も1年おきに合計4度の首位打者を獲得する強打者としての地位を確立しました。ハイルマンは1929年までタイガースに在籍し、その後1930年にシンシナティ・レッズに移籍しました。彼はこの時期に11年間連続で打率3割を超える成績を記録しました。

引退とその後

しかし、1931年にハイルマンは手首の関節炎に悩まされ、現役を引退することとなります。彼のキャリアの最終成績は生涯打率.342という素晴らしいもので、右打者としては歴代3位の記録を持ちます。また、彼は「現役中に使用されたすべての球場で本塁打を放った」最初の選手としても知られています。

引退後は1950年までタイガースの実況アナウンサーとして活躍し、また第二次世界大戦中には慰問野球団に加わり、海外でプレーする機会もありました。彼の人生は1951年に肺がんにより幕を閉じましたが、彼の功績は後世に強く刻まれています。

記録と栄誉

ハリー・ハイルマンは多くの記録を残し、その中には1925年に記録したシーズンのロードゲームにおける安打数134という数字があります。この記録は2004年にイチローによって更新されるまで、メジャーリーグの記録として保持されていました。

彼は1952年に、記者投票によりアメリカ野球殿堂入りを果たしました。彼の存在はデトロイト・タイガースの歴史において重要な位置を占めており、今なお多くの野球ファンに愛され続けています。

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