ハリー・ロウ (1886年8月生のサッカー選手)

ハリー・ロウについて

ハリー・ロウ（本名ホーレス・ロウ）は、1886年8月10日にイギリス、チェシャー州のノースウィッチで生まれ、1967年7月15日にカムデン・タウンで亡くなりました。元サッカー選手であり、その後指導者としても活躍しました。彼のポジションは、センターハーフで、古いフォーメーションである2-3-5時代の中央ミッドフィールダーや、1930年代以降のセンターバックに相当します。

経歴

現役時代

ロウは、地元クラブのノースウィッチ・ヴィクトリアFCにてキャリアをスタートさせました。その後、1913年にブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCに移籍し、1914年にはトッテナム・ホットスパーFCへと進みました。トッテナムでは13年間在籍しましたが、公式戦の出場は72試合に留まりました。その後、フラムFCとベックナム・タウンFCに所属し、現役を引退しました。

指導者時代

現役を引退した後のロウは、リーガ・エスパニョーラのレアル・ソシエダの監督に就任し、1930年から1935年までの5シーズンを指揮しました。彼の初年度、1930-1931年シーズンには、アスレティック・ビルバオやラシン・サンタンデールとの熾烈な優勝争いを繰り広げましたが、結果的にはわずかに及ばず、最終的に3位となりました。この成績は、1979-80年シーズンまでレアル・ソシエダの最高成績として記録されていました。しかし、その後は徐々に成績が停滞し、1934-35年シーズンには開幕から低迷し、11位でシーズンを終えると、自動降格が決まり、ロウ監督は解任を余儀なくされました。

その後の1935-36年シーズンにはエスパニョールの監督に就任しますが、チーム編成にもかかわらず成績が振るわず、リーグ前半戦の途中で解任されました。

48歳226日での現役復帰

1935年3月24日、ロウ監督が指揮していたドノスティアFC（当時のレアル・ソシエダの名称）は、財政難によりバレンシア戦に必要な11人の選手をそろえることができず、出場できる選手が不足する事態に直面しました。健康な選手が10人だけとなる中、ロウ監督は自らスパイクを履き、選手のひとりとしてピッチに立つ決断を下しました。この時、彼は本来のポジションであるセンターハーフではなく、フォワードの位置で90分間フル出場し、1アシストを記録しました。

この試合の結果は7-1でバレンシアの勝利に終わりましたが、それでもロウ監督の名前は試合のメンバー表に記載され、「48歳226日」でのプリメーラ・ディビシオン出場という記録が生まれました。この記録は、後に2012-2013シーズンに現役を引退するリカルド・ロペス・フェリペが記録した41歳154日を大きく上回るものでした。

ロウのキャリアとその業績は、サッカー界において特筆すべきものであり、彼の指導者としての活動と現役復帰の際のエピソードは、サッカーファンの間で語り継がれています。

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