ハロップ (航空機)

ハロップ（またはハーピー2）：自律型対レーダー無人機

ハロップは、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ（IAI）のMBT部門によって開発された、徘徊型兵器の一種です。この無人航空機は、主に敵の防空システムを制圧するために設計されており、特に電波放射への自律的な接近を行う能力を持ちます。ハロップは、戦場を空中で徘徊し、指定された目標に対して自爆攻撃を行う仕様となっています。

この兵器は、完全自律運用が可能でありながら、操作を行う人間が関与するモードも提供しています。運用中に目標と交戦していない際には、ハロップは自ら基地に戻って安全に着陸します。設計上、ステルス性が重視されており、レーダー反射を最小限に抑える工夫がされています。結果として、小型のこの無人機は、より大型の航空機や地上のミサイル迎撃システムを回避しつつ、防空網を排除する役割を果たします。

概要と特徴

ハロップは、最大9時間の飛行時間を持ち、航続距離が200kmに達します。発射は地上または海上のキャニスターから行うほか、航空機からの発射にも対応しています。誘導システムは二つの方法を持ち、ひとつは電波放射を追尾し、自ら目標へと進むもので、もう一つは操作員が設定した静止または移動中のターゲットに向かう方式です。後者のモードでは、電波を発信しない敵レーダーに対しても効果的に攻撃が可能です。搭載されているEOセンサーには、FLIR（赤外線カメラ）やカラーCCDが備わっており、対象を半球状に捉える能力があります。

IAIはハロップの小型版も開発中で、これによりコストを抑えつつ軽量化されたモデルを期待しています。このバージョンは、弾頭を持ち、3-4kgの重さで設計されており、短時間かつ迅速に対応が必要とされるターゲットへの投射を狙っています。

歴史的な運用

ハロップのローンチカスタマーとされるトルコは、2005年にその使用を開始する可能性が報じられ、本格的な運用が始まる前にイギリス国防省へ提案されましたが、最終的には別の選択がされました。その後、インドではハロップの購入交渉が行われ、2009年には最大10機のシステムが発注されました。この無人機は、エアロ・インディアショーで初めて披露され、その後もインド空軍の一部として運用されています。

アゼルバイジャンでは、2016年のナゴルノ・カラバフ紛争中に初めての戦闘使用が確認され、その後、さまざまな軍事紛争で活用されています。また、2020年にはこの無人機の効果が称賛され、各国での導入が進められています。日本でも、攻撃型無人機の候補としてハロップが名を挙げられるなど、その影響力は国際的に広がっています。

運用者

ハロップを運用する国には、アゼルバイジャン、ドイツ、インド、イスラエル、モロッコ、トルコが含まれます。特にアゼルバイジャンでは、実戦での運用が際立っており、最近の紛争においてその存在感を見せています。

仕様

• - 乗務員: 0人
• - 長さ: 2.5 m
• - 全幅: 3.00 m
• - RCS: < 0.5 m²
• - 通信範囲: 200 km
• - 航続距離: 200 km
• - 航続時間: 9 時間
• - 最高速度: 417 km/h
• - 最大高度: 4,572 m
• - 兵装: 23 kg 弾頭

ハロップは、その自律運用能力と効果的なターゲティングによって、現代の戦争において重要な役割を果たしています。

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