ハワード・シェリー

ハワード・シェリー（Howard Shelley OBE, 1950年3月9日 - ）は、イギリス出身の著名なピアニスト、そして指揮者です。音楽一家に生まれ、幼少期からその才能を開花させました。妻もまたピアニストであるヒラリー・マクナマラであり、音楽家同士の夫婦としても知られています。

シェリーはロンドンで生まれ、名門ハイゲート・スクールを卒業後、王立音楽大学に進学し、音楽の研鑽を積みました。1971年には、ロンドンのウィグモア・ホールでピアニストとして華々しくデビューを飾り、その才能を世に知らしめました。その後、マイケル・ティルソン・トーマス指揮のロンドン交響楽団、BBCプロムスなど、名だたるオーケストラとの共演を果たし、ピアニストとしての地位を確立しました。

1985年からは指揮者としての活動も開始し、その才能は新たな分野でも開花しました。ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの首席客演指揮者、ウプサラ室内管弦楽団の首席指揮者を歴任し、指揮者としての確固たるキャリアを築きました。

シェリーは、特にラフマニノフの演奏において、その深い理解と卓越した技術が高く評価されています。ブライデン・トムソン指揮のロイヤル・スコティッシュ管弦楽団と共演したピアノ協奏曲全集、そしてピアノ独奏曲全集は、ラフマニノフの作品の新たな魅力を引き出したとして、世界中で絶賛されました。また、セルゲイ・レイフェルクスらとの共演による歌曲全集の録音は、作曲者の指定した声部による世界初の全集として、音楽史にその名を刻んでいます。

ラフマニノフ没後50周年の際には、遺族からの特別な招待を受け、ルツェルンのラフマニノフ旧宅でコンサートを開催し、その偉大な作曲家への敬意と愛情を示しました。ハワード・シェリーは、ピアニスト、指揮者として、そしてラフマニノフの作品を深く愛する音楽家として、世界中の音楽ファンから尊敬を集めています。

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