ハンマー準男爵

フリント州ハンマーのハンマー準男爵

フリント州ハンマーのハンマー準男爵（Hanmer Baronetcy, of Hanmer in the County of Flint）は、イギリスの準男爵位であり、その歴史は2度にわたる創設という特異な経緯をたどっています。第1期はイングランド準男爵位として、そして現存する第2期はグレートブリテン準男爵位として存在しています。

第1期ハンマー準男爵（1620年）

1620年7月8日、ジョン・ハンマーがイングランド準男爵に叙位されたことで、第1期のハンマー準男爵家が創設されました。初代準男爵ジョン・ハンマー(1591頃–1624)は、フリントシャー選挙区選出の庶民院議員としても活躍しました。この流れは彼の後継者にも引き継がれ、2代準男爵サー・トマス・ハンマー (1612–1678)もフリントシャーから選出され、庶民院議員を務めました。

3代準男爵サー・ジョン・ハンマー (-1701)もまた、フリントシャー選挙区の庶民院議員を務めましたが、1701年に悲劇的な決闘死を遂げました。3代準男爵には子供がいなかったため、爵位は2代準男爵の次男ウィリアムの長男であるトマス・ハンマーが4代準男爵を継承しました。4代準男爵サー・トマス・ハンマー (1677–1746)は、フリントシャー選挙区、セットフォード選挙区、サフォーク選挙区から選出され、庶民院議員として活躍し、1713年から1715年にかけては庶民院議長という要職を務めました。しかし、彼にもまた子供がなく、彼の死去とともに第1期のハンマー準男爵位は廃絶しました。

第2期ハンマー準男爵（1774年）

第2期のハンマー準男爵家は、第1期初代準男爵の7代前の先祖であるジェンキン・ハンマー(Jenkin Hanmer)に遡る分流から誕生しました。ジェンキンの先妻の子グリフィズ・アプ・ジェンキン・ハンマーの系譜が第1期のハンマー準男爵に、後妻の子エドワード・ハンマーの系譜が第2期へと繋がります。サドベリー選挙区選出の庶民院議員ウォルデン・ハンマーが1774年5月21日にグレートブリテン準男爵に叙位されたことで、現存する第2期が創設されました。

3代準男爵サー・ジョン・ハンマー (1809–1881)は、シュルーズベリー選挙区、キングストン・アポンハル選挙区、フリント・バラ選挙区から選出されて庶民院議員を務めた後、1872年10月1日に連合王国貴族ハンマー＝フリントのハンマー男爵（Baron Hanmer, of Hanmer, and of Flint）に叙位され、貴族院議員に転じました。しかし、彼にも子供がいなかったため、ハンマー男爵の爵位は一代で終わりました。

1881年にハンマー男爵（3代準男爵）が死去した後、弟のウィンダム・エドワード・ハンマー (1810–1887)が4代準男爵を継承しました。以降、彼の直系で父から息子への継承が続いています。現在の当主は9代準男爵サー・ウィンダム・リチャード・ガイ・ハンマー (1955-)です。

歴代当主

ハンマーのハンマー準男爵 (1620年)

初代準男爵サー・ジョン・ハンマー (1591頃–1624)
2代準男爵サー・トマス・ハンマー (1612–1678)
3代準男爵サー・ジョン・ハンマー (-1701)
4代準男爵サー・トマス・ハンマー (1677–1746)

ハンマーのハンマー準男爵 (1774年)

初代準男爵サー・ウォルデン・ハンマー (1717–1783)
2代準男爵サー・トマス・ハンマー (1747–1828)
3代準男爵サー・ジョン・ハンマー (1809–1881) - 1872年にハンマー男爵

ハンマー男爵 (1872年)

初代ハンマー男爵ジョン・ハンマー (1809–1881)

ハンマーのハンマー準男爵 (1774年)（再開）

4代準男爵サー・ウィンダム・エドワード・ハンマー (1810–1887)
5代準男爵サー・エドワード・ジョン・ヘンリー・ハンマー (1843–1893)
6代準男爵サー・ウィンダム・チャールズ・ヘンリー・ハンマー (1867–1922)
7代準男爵サー・（グリフィン・ウィンダム）・エドワード・ハンマー (1893–1977)
8代準男爵サー・ジョン・ウィンダム・エドワード・ハンマー (1928–2008)
9代準男爵サー・ウィンダム・リチャード・ガイ・ハンマー (1955-)

このハンマー準男爵家の歴史は、イギリスの貴族制度における爵位の継承、政治との関わり、そして家系の複雑な流れを物語る貴重な事例と言えるでしょう。

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