ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー

ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー：ヴァン・モリソンの不朽の名曲

1989年、北アイルランド出身のシンガーソングライター、ヴァン・モリソンはアルバム『アヴァロン・サンセット』からシングル「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」をリリースしました。この曲は、スコッティ・ワイズマン作曲の同名タイトル曲とは全く異なるオリジナル作品です。しかし、一部バージョンでは「ザット・アイ・ラヴ・ユー?」を含むタイトルで表記されることもあります。

各国のチャート成績

この曲は、世界各国でチャート入りを果たし、その人気を示しました。オランダでは18年ぶりのトップ20入りを果たし14位を記録、イギリスでは6年ぶりに全英トップ100にランクインし74位を記録しました。アメリカではBillboard Hot 100には入りませんでしたが、『ビルボード』のアダルト・コンテンポラリー・チャートで12位という好成績を収めています。

多様なコラボレーションと再録音

その後も、「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」は様々な形で再解釈され、音楽シーンに大きな影響を与え続けました。1995年には、アイルランドの伝統音楽グループ、チーフタンズのアルバム『ロング・ブラック・ヴェイル』に、モリソンがセルフカバーで参加。このバージョンはタイトルを「Have I Told You Lately That I Love You?」に変更し、全英シングルチャートで71位を記録、さらにアメリカではグラミー賞最優秀ポップ・コラボレーション・ウィズ・ボーカル賞を受賞するという快挙を達成しました。2018年には、ジョーイ・デフランセスコとのコラボレーションアルバム『ユーアー・ドライヴィング・ミー・クレイジー』でも再録音されています。

映画音楽への採用

「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」は、映画音楽の世界でもその存在感を示しています。モリソンの歌唱によるバージョンは、『ホーリー・ブライド』（1996年）、『素晴らしき日々』（1996年）、そして2014年のリチャード・ロンクレイン監督作品『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります (5 Flights Up)』のエンディングテーマとして使用されました。また、『ロイヤル・セブンティーン』（2003年）では、Matt Achesonによるカバーバージョンが使用されています。

著名アーティストによるカバー

数々のアーティストが「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」をカバーし、それぞれの解釈でこの名曲を蘇らせています。中でも最も成功を収めたのは、ロッド・スチュワートによるカバーでしょう。彼は1991年のアルバム『ヴァガボンド・ハート』に収録し、1993年にはMTVアンプラグドでパフォーマンス、その音源はシングルとしてリリースされました。このカバーはアメリカでBillboard Hot 100で5位、アダルト・コンテンポラリー・チャートで1位、トップ40メインストリームで4位を記録。イギリスでも9週間に渡りトップ100入りし、最高5位を記録しました。

その他にも、フレディ・コール、スティーヴ・ブルックスタイン、バリー・マニロウなど、多くのアーティストがそれぞれのアルバムに収録し、この曲の普遍的な魅力を改めて証明しています。

まとめ

「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」は、ヴァン・モリソンの代表曲の一つとして、時代を超えて愛され続ける名曲です。オリジナルバージョンはもちろん、様々なアーティストによるカバー、そして映画音楽への起用など、その魅力は多角的に広がりを見せています。これからも、多くの人々の心を魅了し続けることでしょう。

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