ハート (玩具)

株式会社ハートは、日本国内において、人気のキャラクターを題材にした食玩（食品と玩具がセットになった商品）を中心に、さまざまな菓子や玩具の企画、開発、そして販売を行う総合商社です。

その歴史は、1952年1月に愛媛県松山市で始まった事業に端を発します。組織としての第一歩は、1963年7月に同地で設立された有限会社井川商店でした。事業の拡大に伴い、1966年には東京都墨田区に東京支店を開設し、東西に拠点を構える体制を構築。その後も1973年に福岡、1974年には大阪と、主要都市への営業拠点開設を進めていきました。

組織体制の変革も行われ、1978年11月には会社組織を見直し、商号を株式会社イカワに変更。事業の多角化を進める中で、1983年4月には関連会社として現在の社名と同じ株式会社ハートを設立しました。この時期には、全国各地への営業所展開が加速し、佐賀、金沢、和歌山、岡山、大分、下関、徳島、高知、久留米、鹿児島、松江などに次々と拠点を設けています。

会社の成長と共に、インフラ整備も進められました。1970年には松山市中央に本社社屋を建設し、1980年には本社新館を増築。また、物流体制の強化のため、1992年に愛媛県松山市西垣生に物流センターを建設し、翌年には第二期工事も完了させています。

経営の質を高める取り組みとして、同社はたびたび優良申告法人として表彰を受けており、1971年、1976年、1983年、1988年、1992年、1998年、2003年と、複数回にわたりその実績が認められています。また、1995年には「良い企業文化創り」を目指す3C運動を開始。1996年には営業パソコンネットワーク、1997年には全社員パソコンネットワークを導入するなど、情報システム化も積極的に推進しました。

2000年代に入ると、事業構造の再編が進みます。2000年4月には、メーカーブランドを「ハート」に統一する方針のもと、子会社4社を株式会社ハートに統合。2001年には雑誌「ムー」に登場するUMAを題材にした商品を発売し、玩具菓子市場へ本格参入しました。品質管理体制では、2004年9月に子会社の株式会社ハートがISO 9000認証を取得し、2008年7月にはその対象を開発から物流までの全社に拡大しています。

2005年3月には、香港に子会社ハートクリエイション（心思創作有限公司）を設立し、海外展開の足がかりを築きました。そして、2006年6月には株式会社イカワが株式会社ハートを吸収合併し、社名を株式会社ハートと改めて現在に至ります。この再編を経て、組織体制を強化し、事業展開を加速させました。2010年には、松山事業所と松前商品センターを統合し、新設した大可賀事業所へ移転するなど、国内拠点の効率化も図られています。2012年には大可賀事業所の隣接地に新物流センターを竣工、2014年にはこれを増築するなど、物流体制の強化も継続しています。

海外市場への取り組みとしては、2015年5月にバンコク、シンガポール、サンフランシスコなどで海外展示会に出展し、積極的な海外展開を図りました。そして2019年11月、エンターテインメント分野の大手企業グループであるバンダイナムコグループの一員となり、新たな成長フェーズに入りました。

主な商品カテゴリーとしては、キャラクター関連のポケット菓子や玩具菓子、そしてイースター、こどもの日、ハロウィン、クリスマス、バレンタインデー、ホワイトデーといった季節イベントに合わせた商品開発に強みを持っています。長年培ってきた菓子・玩具業界での実績と、バンダイナムコグループとの連携により、多様なニーズに応える商品を生み出し続けています。

現在、株式会社ハートは、変化する市場環境に対応しながら、キャラクター食玩市場のリーディングカンパニーとして、高品質で魅力的な商品の提供を通じて事業を展開しています。

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