ハートに火をつけて (映画)

映画『ハートに火をつけて』と『バックトラック』：二つの顔を持つ作品

1990年に公開されたアメリカ映画『ハートに火をつけて』（原題：Catchfire）は、デニス・ホッパーが監督と出演を務めた作品です。しかし、製作会社との対立により、監督名義がアラン・スミシーに変更されて公開されるという異例の事態に見舞われました。その後、ホッパー自身が再編集を行い、タイトルを『バックトラック』として再公開したという経緯があります。

あらすじ：偶然の目撃から始まる逃避行

物語は、ロサンゼルスを舞台に展開します。現代アーティストのアン・ベントンは、ある夜、マフィアの殺人現場を偶然目撃してしまいます。恋人を殺され、組織から命を狙われることになったアンは、身を隠すことになります。組織は、プロの殺し屋マイロをアンの元へ送り込みますが、追跡の過程で、二人は次第に惹かれ合うようになります。最終的に、二人は組織を壊滅させ、逃避行へと出るという、スリリングな展開が繰り広げられます。

『バックトラック』版：監督の意図が反映された再編集版

デニス・ホッパーが再編集した『バックトラック』は、オリジナル版と比較して、以下のような変更点が加えられています。

編集と音楽の変更: 当初ホッパーが意図した編集と音楽に変更されています。
チャーリー・シーンの出演シーンの短縮: ボーイフレンド役を演じたチャーリー・シーンの出演シーンが短縮されています。
アレックス・コックスの脚本クレジットの復活と出演シーンの復活: 脚本を担当したアレックス・コックスのクレジットが復活し、彼の出演シーンも復活しています。
ジョディ・フォスターとデニス・ホッパーの出演シーンの増加: 主演のジョディ・フォスターとデニス・ホッパーの出演シーンが大幅に増加しています。
ロングシーンの増加による心理描写の深化: 登場人物たちの心情がより深く描かれており、特にアンとマイロの心理的な変化がより鮮明に表現されています。二人の心の奥底に迫るような描写がなされています。
恋愛要素の強調: サスペンス要素よりも、恋愛要素が強調されており、ラブストーリーとしての側面が強くなっています。

キャスト

ジョディ・フォスター
デニス・ホッパー
チャーリー・シーン
アレックス・コックス

テレビ東京版の日本語吹き替えでは、以下の声優が参加しています。

小島敏彦
沢海陽子
火野カチコ
秋元羊介
藤生聖子

関連情報

アラン・スミシー: 監督が自身の名前をクレジットすることを拒否した場合に使われる偽名。

外部リンク

ハートに火をつけて - allcinema
ハートに火をつけて - KINENOTE
Catchfire/Backtrack - オールムービー（英語）
Catchfire/Backtrack - IMDb（英語）

この映画は、監督と製作会社の対立という異例の経緯を経て、二つの異なるバージョンが存在するという珍しい作品です。サスペンスとロマンスが入り混じる独特な世界観をぜひお楽しみください。

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