ハートフォードシャー大学

ハートフォードシャー大学

ハートフォードシャー大学（University of Hertfordshire）は、イングランド東部のハートフォードシャー州、ハットフィールドに本拠を置く国立大学です。約23,000人の学生が多様な分野を学んでおり、HIBT学士課程進学プログラムの拠点キャンパスとしても機能しています。

歴史的背景

その起源は1951年に設立されたハットフィールド・テクニカル・カレッジに遡ります。当時のハットフィールドの主要産業であった航空宇宙分野を支えるエンジニア育成を目的に、企業de Havillandから提供された土地にハートフォードシャー州議会によって設立されました。教育水準の向上と共に発展し、1967年にはポリテクニックに改組され、ハットフィールド・ポリテクニックと称されました。そして、1992年の更なる高等教育法（Further and Higher Education Act 1992）の施行に伴い、総合大学へと昇格し、現在のハートフォードシャー大学となりました。

キャンパスとその機能

ハートフォードシャー大学は、主に三つのキャンパスを中心に教育・研究活動を展開しています。最も歴史が古く、大学のメインキャンパスとしての役割を担っているのがカレッジ・レーンキャンパスです。ここには、設立母体となったハットフィールド・テクニカル・カレッジ時代の建物に加え、最新のビルディング群が立ち並びます。学修支援の中心となるラーニング・リソース・センター（LRC）には、図書館とコンピュータセンターが集約されています。また、コンピュータ・サイエンス、エンジニアリング、ナチュラル・サイエンス、ヘルス&ヒューマンサイエンスといった学部がこのキャンパスを主要拠点としています。学生寮や活気あるスチューデントユニオンなどもカレッジ・レーンに位置しています。

カレッジ・レーンキャンパスから徒歩圏内（約15分）には、旧BAe（ブリティッシュ・エアロ・スペース）の跡地に整備されたデ・ハヴィランドキャンパスがあります。ここでは、ビジネス・スクールや人文科学教育学部が主な活動を行っています。また、ラグビーチーム「サラセンズ」のトレーニンググラウンドも完備されており、スポーツ施設も充実しています。

法曹界に近い立地を活かし、ロー・スクールはセント・アルバンズキャンパスに置かれています。かつてワットフォードやハートフォードにもキャンパスが存在しましたが、デ・ハヴィランドキャンパスの開設に伴い閉鎖され、機能が統合されました。さらに、ベイフォードバリーには四つ目のサイトがあり、大学の観測所や生物学、地理学分野の研究が行われています。

教育・研究の特色と強み

本学は多岐にわたる分野で質の高い教育と研究を提供しており、特に歴史、工学、計算機科学、天体物理学、哲学、看護・ヘルスケア、パラメディック・サイエンスといった分野における研究が高く評価されています。これらの分野は、理論と実践を結びつけた教育アプローチを通じて、多くの専門家や研究者を育成しています。

学生生活と卒業生

大学生活の中心的な存在であるハートフォードシャー大学スチューデントユニオン（UHSU）は、カレッジ・レーンキャンパスで頻繁にイベントを企画・運営し、学生の交流と課外活動を支援しています。大学は、様々な分野で活躍する人材を輩出しており、著名な卒業生としては、実業家のマーティン・リーチ氏、ラグビー選手のオーウェン・ファレル氏やマイケル・オーウェン氏、ラグビー・エンジニアのギャビン・フィッシャー氏、スウィフト・エックスアイ最高執行責任者のニック・バルア氏などが挙げられます。

ハートフォードシャー大学は、その歴史と多様なキャンパス、そして幅広い学術分野における強みを通じて、国内外から集まる学生に質の高い学びの機会を提供し続けています。

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