ハードル

ハードルの基本情報

ハードル（hurdle）は、陸上競技の一種であるハードル走に用いられる重要な道具です。この競技は、選手が決められた高さのハードルを越えながら、素早く走ることを目的としています。ハードルに関する規則は、競技者が公平に競い合えるよう、国際的なルールによって厳格に定められています。

ハードルの設置と規格

競技規則（Technical Rules：TR）によれば、ハードルは各レーンに設置されます（TR22.1）。しかし、障害物競走における障害物は、レーンごとには設置されないため、ハードルとは異なる規格が適用されています。このように、ハードル競走と障害物競走では、ハードルと障害物が異なる要素として位置付けられています（TR22とTR23の区別）。

ハードルの構造

ハードルの材質としては、上部のバーが木材または非金属の適当な素材で作られる必要があります（TR22.2）。ハードルは、通常1本または複数本のバーを2本の支柱で支え、その下には基底部がついています。この構造により、ハードルは上端の中央部に3.6kg以上の力を加えた際に倒れるように設計されています（TR22.2）。

寸法について

ハードルの具体的な寸法は競技種目によって異なりますが、全体の幅は1,180mmから1,200mm、基底の長さは700mm以下、全重量は10kg以上と定められています（TR22.3）。バーの上部は高さ70mm、厚さは10mmから25mmの範囲で、さらに色は黒と白、または他の際立った色使いが求められています（TR22.4、TR22.5）。このような特徴から、教育用のハードルとしては、可変高さや柔軟な素材のバーを用いるものも存在します。

ハードルに関するルール

ハードル競走には、種目に応じて異なる高さ設定があります。具体的な種目と高さは以下の通りです：

• - 100メートルハードル

女子 一般 / U20 - 838mm
女子 U18 - 762mm

• - 110メートルハードル

男子 一般 - 1,067mm
男子 U20 - 991mm
男子 U18 - 914mm

• - 400メートルハードル

男子 一般 / U20 - 914mm
男子 U18 - 838mm
女子 一般 / U20 / U18 - 762mm

これらの高さはイギリスの単位であるインチやフィートに基づいているため、メートル法の数値に換算すると半端な数字が見られます。
例えば、762mmは約2.50フィート、838mmは約2.75フィートといった具合です。

ハードルの一般的な用法

日常的な会話の中でも「集客の難しさがハードルとなっている」といった表現が見られるように、ハードルは物事の達成に対する障害や難易度を象徴する言葉として使われます。また、高さが異なるハードルがあることから、「この機械は初心者にはハードルが高い」として、物事の難しさを例える際にも使われています。さらに、物事の許容水準や評価基準を高めることを「ハードルを上げる」という際にも用います。英語でも同じような意味で「raise the hurdles」という表現が見られます。

このようにハードルは、競技規則に基づいて設計された重要な道具であり、競技に限らず日常言語においても幅広く利用される概念です。

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