400メートルハードル

400メートルハードルについて

400メートルハードルは、選手が10台のハードルを跳び越えながら400メートルを走り、そのタイムを競う陸上競技です。この種目はオリンピックや世界陸上競技選手権で行われる正式な種目であり、国際的な陸上競技団体であるワールドアスレティックス（WA）や日本[[陸上競技連盟]]（JAAF）によっても指定されています。ただし、中学生の競技会ではこの種目は実施されていません。また、「ヨンパー」とも呼ばれることがあります。

競技の詳細

400メートルハードルでは、スタート地点から最初のハードルまでの距離は45メートルで、そこからは35メートル間隔で10台のハードルが配置されています。そして、最後のハードルの後からゴールまでの距離は40メートルです。ハードルの高さは、男子選手が91.4センチ（約3フィート）、女子選手が76.2センチ（約2フィート6インチ）です。さらに、18歳未満の選手が参加するIAAF世界ユース陸上競技選手権では、男子のハードルは84センチの高さで行われます。日本の大会では、すべてのレベルの選手が通常の規定に従ったハードルの高さで競います。

400メートルハードルの特徴として、後半の速度の低下に伴ってハードル間の歩数が増える点が挙げられます。このため、前足での跳び上げと後ろ足での踏み切りを左右入れ替える「逆足」でのハードリングが求められます。逆足を使用することで、選手は1歩ずつ歩数を調整でき、ペースを維持しやすくなります。トップレベルの選手では、男子が13歩から15歩、女子が15歩から17歩の歩数が通常です。

歴史的背景

この競技が夏季オリンピックで男子の正式種目として採用されたのは1900年のパリオリンピックからですが、女子の場合は1984年のロサンゼルスオリンピックからと、採用が遅れました。男子の競技では、北アメリカやアフリカからの選手がオリンピックや世界選手権で上位に入ることが多く、女子競技でもアメリカやジャマイカを中心とする選手たちが好成績を収めている傾向があります。一方で、アジアの選手が上位入賞を果たすことは少なく、8位に入ることができれば良い成績とされています。

特に1990年代から2000年代前半にかけては、日本の選手たちが世界のトップレベルで戦っていました。山崎一彦が1995年の世界陸上イエテボリ大会で7位、為末大が2001年と2005年に銅メダルを獲得するなど、輝かしい成績を残しました。しかし、近年では後継選手の成迫健児が伸び悩む中、続く選手たちが少なくなり、世界との競争が厳しくなっています。

最新の進展

ケビン・ヤングが記録した世界記録46秒78以降、46秒台の記録は長い間更新されませんでしたが、2018年にアブデラマン・サンバが46秒98を記録し、それ以降46秒台の記録が多く生まれるようになりました。特に2021年の東京オリンピックでは、カールステン・ワーホルムが45秒94という驚異的なタイムで世界記録を更新しました。このレースでは、2位と3位の選手も46秒17、46秒72の好記録を達成し、オリンピック記録を超える結果を残しています。

このように400メートルハードルは、競技者にとっては高い技能と集中力、そして身体能力が必要とされる緊張感あふれるスポーツです。

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