ハーバート・モリソン

ハーバート・モリソン：英国労働党の重鎮、首相の座を逃した政治家

ハーバート・モリソン（1888年1月3日 - 1967年3月6日）は、イギリスの政治家であり、労働党の有力なメンバーでした。彼はその政治キャリアの中で重要な役割を果たしましたが、党首や首相になることはできませんでした。

生涯

モリソンは、第二次マクドナルド内閣で運輸大臣として初めて入閣し、政治家としてのキャリアをスタートさせました。

1935年、ジョージ・ランズベリーの労働党党首辞任に伴い行われた党首選挙に、モリソンは立候補しました。他の候補者には、クレメント・アトリーとアーサー・グリーンウッドがいました。当初、モリソンが有力候補と見られていましたが、労働党右派の有力者アーネスト・ベヴィンがモリソンを嫌い、不支持を表明しました。労働組合員に大きな影響力を持つベヴィンの不支持表明により、モリソンは組合員からの票を失い、アトリーが労働党党首に就任しました。

1945年に労働党が勝利すると、モリソンは自身が首相になるための政治工作を行いましたが、これもアーネスト・ベヴィンによって阻止されました。アトリー内閣では、副首相のポストを与えられました。

ベヴィンが病気で外相を辞任すると、モリソンが後任として外相に就任しました。サンフランシスコ対日講和会議には、イギリス全権代表として出席しました。アーバーダーン危機では、イランに対し強硬な姿勢で臨み、戦争も辞さない構えを見せました。

1955年、20年間労働党党首を務めたアトリーが辞職し、党首選挙が行われました。モリソンは再び党首選に立候補しましたが、ヒュー・ゲイツケルに敗れました。

モリソンは、労働党党首や首相の座に就くことができないまま、1967年に亡くなりました。

モリソンは、その政治手腕と影響力にもかかわらず、党内の権力闘争や不運が重なり、最高位に到達することはできませんでした。しかし、彼の政治キャリアは、イギリス労働党の歴史において重要な位置を占めています。

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