ハーバード・ブランド

ハーバート・ジョージ・ブランド（Herbert George Brand, 1865-1942）は、H・G・ブランドの名で知られるイギリス出身の宣教師であり、プリマス・ブレズレン派に属していました。彼は1889年に日本へ渡り、東京の日本橋を中心に精力的な伝道活動を展開しました。

ブランドの伝道スタイルは、路傍説教や野外伝道といった、直接人々に語りかけるものでした。彼は、日本の街頭に立ち、キリスト教の教えを広めました。彼の熱心な活動は、多くの人々の耳目を集め、キリスト教への関心を高めるきっかけとなりました。

日本橋教会では、北原義道牧師の子息が起こした問題に対する教会の対応に不満を持った青年たちが「日本橋青年倶楽部」を結成していました。彼らは1890年、ブランドを指導者として迎え入れました。この出来事が、日本におけるプリマス・ブレズレンの活動の原点となりました。ブランドの指導のもと、青年たちは信仰を深め、伝道活動を活発化させていきました。

また、明治学院神学部の学生であった乗松雅休も、ブランドに師事し、彼の活動を支えました。乗松は、ブランドの思想や伝道方法に深く感銘を受け、その後の自身の活動に大きな影響を受けました。ブランドと乗松の関係は、日本のキリスト教界における人材育成という点でも重要な意味を持っています。

ブランドは1919年、56歳でイギリスに帰国しました。彼は日本での約30年にわたる宣教活動を終えましたが、彼が蒔いた種は、その後も日本において着実に成長していきました。彼の活動は、日本のプリマス・ブレズレンの発展に大きく貢献し、その影響は今日まで続いています。

参考文献

共立基督研究所編『宣教ハンドブック』いのちのことば社、1991年
高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

著書

* 五十嵐健治編『生ける神とキリスト』

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