ハーマン・カードン

ハーマン・カードン（Harman Kardon）は、オーディオ機器の分野で世界的に知られるブランドです。ハーマン・インターナショナルの傘下にあり、家庭用オーディオ製品からカーオーディオまで、幅広い製品を開発・製造しています。

創業と初期の革新

1953年、シドニー・ハーマンとバーナード・カードンという二人の情熱的な音楽愛好家によって、ハーマン・カードンは設立されました。彼らはハイファイオーディオの普及を目指し、技術革新を追求しました。

設立からわずか1年後の1954年、ハーマン・カードンは世界初のハイファイレシーバー「Festival D1000」を発表しました。このモノラルユニットは、チューナー、コントロールユニット、アンプを一体化し、オーディオ機器に詳しくない消費者でも簡単に扱えるよう設計されていました。この画期的な一体型デザインは、今日のオーディオ機器でも広く採用されています。

さらに、1958年には世界初のステレオレシーバー「Festival TA230」を発表し、ステレオサウンドの普及に貢献しました。このモデルでは、AMバンドとFMバンドをそれぞれ左右チャンネルに割り当てることでステレオサウンドを実現しました。

創業者のシドニー・ハーマンは、後にアメリカ合衆国商務長官に就任し、一時的に経営から離れましたが、その後復帰しました。彼の娘が後を継ぎ、会社の伝統を受け継いでいます。

製品ラインナップ

ハーマン・カードンは、その高品質なサウンドと洗練されたデザインから、多くの自動車メーカーにカーオーディオシステムを供給しています。BMW、ランドローバー、ミニ、ボルボ、メルセデス・ベンツ、サーブ、ハーレーダビッドソン、スバルなどがその例です。また、東芝のノートパソコン「dynabook」の一部モデルにも、ハーマン・カードンのオーディオ技術が採用されています。

サイテーションXX

1970年代後半に登場したパワーアンプ「サイテーションXX（Citation XX）」は、その優れた音質で高い評価を受けました。アメリカのオーディオ雑誌「The Audio Critic」では、「世界で最も高音質のパワーアンプ」と評されました。このアンプは、マッティ・オタラが提唱したTIM（トライジェント・インターモジュレーション）理論に基づいて設計されています。

ハーマン・カードンは、長年にわたりオーディオ技術の革新を牽引し、高品質な製品を提供し続けています。その製品は、音楽愛好家からプロフェッショナルまで、幅広い層に支持されています。

外部リンク

Official Harman Kardon website
日本版公式ウェブサイト

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