アルバム『ハーリー』の概要
『ハーリー』は、アメリカの
オルタナティヴ・ロックバンド
ウィーザーによって
2010年にリリースされた8作目のスタジオアルバムです。この作品は、エピタフ・レコードへの移籍後初のアルバムであり、バンドにとって新たな音楽的地平を切り開く試みが詰まっています。アルバムのタイトルは、テレビドラマ『
LOST』のキャラクターであるヒューゴ・レイエス(通称ハーリー)から名付けられており、ジャケットには彼を演じた俳優
ホルヘ・ガルシアの写真が使用されています。
アルバム制作の背景
前作『ラディテュード』に続き、
ウィーザーのリーダー
リヴァース・クオモは多くの外部ミュージシャンとのコラボレーションを実践しました。特に、ダン・ウィルソンや
デズモンド・チャイルド、
ライアン・アダムスといった著名なアーティストが多数の楽曲制作に関わり、レコーディングにも参加しています。このコラボレーションによって生まれた曲は、
ウィーザーのスタイルに新しい風を吹き込むことに成功しています。また、俳優
マイケル・セラもバンドのファンであり、
マンドリン演奏やバックグラウンドボーカルとして参加しました。彼は、
ウィーザーの作品に対する深い愛情を持っており、特に『ピンカートン』を最高のアルバムと称賛しています。
シングルとミュージックビデオ
アルバムからの第1弾シングル「メモリーズ」は、見逃せないトラックです。この曲のミュージックビデオには、人気テレビ番組『
ジャッカス』のキャストが出演し、視聴者から高い評価を受けました。さらに、「メモリーズ」は
2010年公開の映画『
ジャッカス3D』の
サウンドトラックとしても使用され、映画のプロモーションにも貢献しました。
商業的成功
『ハーリー』はリリース後、アメリカ国内で高い評価を獲得し、
ビルボード200で6位に達しました。また、『
ビルボード』のインディペンデント・アルバムチャートでは1位を獲得し、モダンロック/オルタナティヴ・アルバムチャートでも2位を記録するなど、商業的に成功を収めました。「メモリーズ」は、ホット・モダン・ロック・トラックスで21位に到達し、シングルも人気を得ました。
収録曲リスト
アルバムには10曲が収められ、その中には多彩なスタイルがあります。楽曲のタイトルと参加したアーティストは以下の通りです。
- - メモリーズ - Memories (Rivers Cuomo) - 3:14
- - ルーリング・ミー - Ruling Me (R. Cuomo, Dan Wilson) - 3:29
- - トレインレックス - Trainwrecks (R. Cuomo, Desmond Child) - 3:21
- - アンスポークン - Unspoken (R. Cuomo) - 3:00
- - ホエア・イズ・マイ・セックス? - Where's My Sex (R. Cuomo, Greg Wells) - 3:28
- - ラン・アウェイ - Run Away (R. Cuomo, Ryan Adams) - 2:55
- - ハング・オン - Hang On (R. Cuomo, Rick Nowels) - 3:33
- - スマート・ガールズ - Smart Girls (R. Cuomo, Tony Kanal, Jimmy Harry) - 3:10
- - ブレイヴ・ニュー・ワールド - Brave New World (R. Cuomo, Linda Perry) - 3:56
- - タイム・フライズ - Time Flies (R. Cuomo, Mac Davis) - 3:46
日本盤CDにはボーナストラックも収録されており、さらなる楽曲の魅力を提供しています。これらのトラックは、
ウィーザーの音楽の幅を広げ、ファンに新しい体験を与えてくれます。
参加ミュージシャン
このアルバムには、メンバー以外にも数多くのアーティストが参加しています。
リヴァース・クオモをはじめ、ブライアン・ベル(
ギター、キーボード)、スコット・シュライナー(ベース)、パトリック・ウィルソン(ドラムス)など、
ウィーザーの主要メンバーが健在です。
さらに、
ジョニー・ノックスビルやライアン・ダン、
マイケル・セラなども参加し、独自のサウンドが形成されています。各楽曲において、彼らの才能が光る瞬間が数多く存在します。全体として、『ハーリー』は多様な音楽的要素が融合し、
ウィーザーの魅力が存分に発揮された作品となっています。