ハーレムハイツの戦い

ハーレムハイツの戦い

ハーレムハイツの戦い（英: Battle of Harlem Heights）は、アメリカ独立戦争において、1776年9月16日にニューヨーク市のモーニングサイド・ハイツとウエスト・ハーレム地域で行われた戦闘です。この戦いは、ジョージ・ワシントン将軍が指揮する大陸軍が、アレクサンダー・レスリー少将の指揮下にあるイギリス軍に対して行った初めての公式な勝利となりました。これにより、大陸軍は大きな自信を得ることとなります。

背景

1776年8月27日のロングアイランドの戦いで、イギリス軍は大陸軍に大きな打撃を与えました。その結果、ワシントンは自軍9,000名を引き連れ、マンハッタン島に逃れます。9月15日、イギリス軍がマンハッタン島に上陸し、大陸軍は敵軍の襲撃を受けました。このような状況下、ワシントンはモーニングサイドハイツに軍を集結させ、戦闘に備えました。

戦闘の開始

9月16日の朝、ワシントン将軍はイギリス軍が接近しているとの報を受け、偵察を行うためにトマス・ノールトン中佐に150名の兵士を指揮させました。早朝、ノールトン隊はイギリス軍の歩哨に見つかり、戦闘が始まりました。大陸軍は秩序だった撤退を行いながら、イギリス軍を引きつけます。この際、イギリス軍のラッパ手が「狐狩り」の信号を鳴らしたことで、アメリカ兵の怒りを誘発し、士気が高まりました。

戦闘の展開

ワシントンは状況を利用し、イギリス軍を罠にかける計画を立てました。陽動部隊がイギリス軍を引きつけ、彼らを窪んだ道に誘い込むと、900名の大陸軍が増援に駆けつけます。しかし、戦闘の途中でノールトンが戦死してしまいます。それでも大陸軍は攻撃をやめず、イギリス軍を丘の頂上まで追いやりました。

イギリス軍の補強が進む中、ワシントンは自軍を援軍に派遣し、最終的には1,800名のアメリカ兵が戦闘に参加しました。イギリス軍も約5,000名に達していましたが、戦闘は約1時間半にわたり続き、大陸軍が優勢となり、イギリス軍は撤退を余儀なくされました。

戦闘後の影響

この戦闘の結果、イギリス軍は公式な損失として戦死14名、負傷78名と報告しました。対して大陸軍は、戦死30名、負傷100名という結果を残しました。この戦いの勝利は、大陸軍のみならず戦闘に参加しなかった兵士の士気を向上させ、ワシントンにとっても初の勝利となりました。

戦闘後、ワシントンはのちにホワイトプレインズへと移動し、さらなる攻防を繰り広げましたが、次の戦闘での敗北を重ねることとなります。また、ノールトンの戦死は大陸軍にとって大きな痛手であり、情報収集部隊の先駆けを率いていた彼の死は、ワシントンにとっても大きな打撃となりました。ハーレムハイツの戦いは、戦争の流れを変える重要な戦闘の一つとしても位置づけられています。

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