バイエルン州立図書館

バイエルン州立図書館：歴史と文化の宝庫

バイエルン州立図書館は、バイエルン州の州都ミュンヘンに所在する州立中央図書館であり、ドイツ語圏において最大規模を誇る図書館の一つとして知られています。その歴史は深く、16世紀にバイエルン公アルブレヒト5世が設立したヴィッテルスバッハ宮廷図書館に遡ります。

図書館の起源と発展

アルブレヒト5世は、1558年にヨハン・アルプレヒト・ヴィドマンシュテッターの個人蔵書を購入し、図書館の基礎を築きました。1571年には、ヨハン・ヤコブ・フッガーの蔵書も приобретено добавив、スペイン、イタリア、オランダなどで収集された約1万冊の書籍や、アルプス以北で最も重要な人文主義的蔵書とされたハルトマン・シェーデルの蔵書から流出した写本やインキュナブラなどが加えられ、その規模を拡大しました。

1802年から1803年にかけて、ドイツの修道院が多数取り壊された際、1000年以上にわたって蓄積された貴重な書籍の一部が、ドイツの各領邦領主の図書館によって救済され、ミュンヘンにもたらされました。これにより、図書館の蔵書は劇的に増加しました。

1919年、バイエルン王国が倒れ、バイエルン州が成立すると、ヴィッテルスバッハ宮廷図書館はバイエルン州立図書館と改称され、現在に至っています。

貴重な蔵書の数々

バイエルン州立図書館は、約900万冊の書籍を所蔵しており、その他にも貴重な写本、定期購読雑誌、インキュナブラなどを多数所蔵しています。

写本： 約90,200点の写本を所蔵しており、図書館員ヨハン・アンドレアス・シュメラーが作成した蔵書目録が存在します。特に有名なものとして、ラテン語古写本（Codices latini monacenses – Clm）は約17,000点、ドイツ語写本 (Codices germanici monacenses – Cgm) は約10,500点所蔵しています。
インキュナブラ： 世界最大級のコレクションとして、19,900点を所蔵しています。

特筆すべき写本

アラリック王抄典（Breviarium Alarici, Clm 22501）
サン・エメランのアウレウス写本（Codex aureus of St. Emmeram, Clm 14000）
カルミナ・ブラーナ (Clm 4660)
『ニーベルンゲンの歌』写本 A (Cgm 34)

これらの写本は、中世の文化や歴史を研究する上で非常に重要な資料となっています。

バイエルン州立図書館は、単なる図書館としてだけでなく、バイエルン州、ひいてはドイツの歴史と文化を伝える重要な役割を担っています。その豊富な蔵書は、研究者だけでなく、一般の人々にとっても貴重な知的資源であり、未来へと受け継がれていくべき遺産と言えるでしょう。

バイエルン州立図書館公式サイト

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