バイエルン放送交響楽団

バイエルン放送交響楽団について

概要

バイエルン放送交響楽団（BRSO）は、ドイツのミュンヘンを本拠地とする著名な放送オーケストラです。設立は戦後の1949年で、比較的新しいオーケストラですが、その演奏技術と音楽的深さから、ドイツを代表するシンフォニーオーケストラの一つに数えられています。国際的な評価も高く、2008年には『グラモフォン』や『レコード芸術』といった音楽誌のランキングでも上位に位置づけられました。同じくミュンヘンに拠点を置くミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団との競争関係もあり、互いに高めあっています。オーケストラの定期公演は、ミュンヘンの王宮内にあるヘラクレス・ザールで行われています。

二楽団制度

バイエルン放送には、BRSOの他にもミュンヘン放送管弦楽団が存在します。BRSOはフルオーケストラの体制を整えており、一方でミュンヘン放送管弦楽団は中規模の二管編成オーケストラであり、主にオペラやオペレッタのスタジオ録音で活動しています。この二楽団制は、他のドイツの放送局でも見られるスタイルで、さまざまな音楽スタイルに対応しています。

歴史的背景

バイエルン放送交響楽団の設立は、第二次世界大戦後のオーケストラ設立ブームに伴って行われました。1949年に初代首席指揮者としてオイゲン・ヨッフムが就任し、同年7月に行われた設立記念公演には作曲家リヒャルト・シュトラウスが特別に招かれ、自作の歌劇から一部を指揮しました。この公演がシュトラウスにとって最後の指揮となったことは歴史的な意義を持っています。

最初の公開コンサートは1949年に行われ、1950年には初の定期公演が開かれました。ヨッフムの時代には、古典的な作品を中心に演奏が行われながら、1951年からは「ムジカ・ヴィヴァ」と称される現代音楽シリーズも開始し、時間的な幅のあるプログラムを展開しました。

1960年には、ヨッフムがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に転出し、その後にラファエル・クーベリックが指揮者として招聘されました。クーベリックのもとでオーケストラはさらなる発展を遂げ、特に彼の故郷であるチェコの音楽、またマーラーの作品に注力しました。1965年には、オーケストラが初めて日本を訪れたのもこの時期です。クーベリックとの共同作業では、多くの著名な録音が残され、オーケストラの名声を高めました。

その後は数年の間、首席指揮者を持たない期間が続きましたが、1983年からコリン・デイヴィスが就任。そして、1993年からはロリン・マゼールが、その後マリス・ヤンソンスが2003年から2019年まで指揮者として活動しました。ヤンソンスの死後、指揮者の空席期間を経て、サイモン・ラトルが2023/24シーズンからの5シーズンを任されることが発表されました。

歴代の首席指揮者

• - オイゲン・ヨッフム（1949 - 1960）
• - ラファエル・クーベリック（1961 - 1978）
• - コリン・デイヴィス（1982 - 1992）
• - ロリン・マゼール（1993 - 2002）
• - マリス・ヤンソンス（2003 - 2019）
• - サイモン・ラトル（2023 - 現在）

終わりに

バイエルン放送交響楽団は、その豊かな音楽スタイルと歴史的な背景を持ち続け、ドイツ国内外での音楽活動を通じて、今なお多くのファンに愛されています。今後も新たな指揮者の下で、その音楽の旅を続けていくことでしょう。

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