バイエルン選帝侯領

バイエルン選帝侯領について

バイエルン選帝侯領（バイエルンせんていこうりょう、ドイツ語: Kurfürstentum Bayern）は、1648年から1806年という期間、神聖ローマ帝国に位置する重要な領邦でした。この時期、選帝侯領はその政治的な影響を強め、その後のバイエルン王国の形成に大きな役割を果たしました。現在のドイツにおけるバイエルン州の一部がその範疇に含まれています。

歴史的背景

バイエルンの歴史的な起源は1180年にさかのぼります。この年、オットー1世がバイエルン公に封じられ、以降、ヴィッテルスバッハ家が統治を行ってきました。しかし、14世紀にはバイエルン公国がプファルツ系とバイエルン系の二つに分裂し、それぞれが異なる道を歩むことになります。この時期、選帝侯位を取得したプファルツ系は、選挙の影響力を持つことになりました。

16世紀には、長子相続に基づく統治が始まったことがバイエルンに安定をもたらします。しかし、1618年から始まった三十年戦争は、この地を混乱に陥れました。バイエルン公マクシミリアン1世は神聖ローマ皇帝フェルディナント2世に味方し、功績により選帝侯としての地位を獲得します。戦後のヴェストファーレン条約では、バイエルン選帝侯領の創設がなされ、以降、この地域は更なる地位の向上を見せます。

ハプスブルク家との対立

バイエルン選帝侯領はその後、神聖ローマ帝国内においてハプスブルク家に対抗する勢力としての地位を確立していきます。特に、マクシミリアン2世エマヌエルはスペイン領ネーデルラントの総督を務め、彼の子ヨーゼフ・フェルディナントは王位継承者として名を馳せます。しかし、スペイン継承戦争が起こると、彼はフランス側に立ち、戦争の結果、バイエルンは連合軍によって占領される事態に陥ります。

1740年にはオーストリア継承戦争が勃発し、カール・アルブレヒト選帝侯が皇帝の地位を狙いますが、最終的にハプスブルク家がバイエルンを占領する結果となります。

統合とバイエルン王国の成立

1777年にはマクシミリアン3世ヨーゼフが男子を残さずに死去し、選帝侯位はプファルツ＝ズルツバッハ家出身のカール・テオドールに継承されます。しかし、彼の統治は成功せず、民衆は彼に対する不満を抱くようになります。フランス革命の影響を受け、バイエルンは混乱の中に包まれ、最終的にはフランスとの友好条約を結ぶに至ります。1803年には領土交換が行われ、バイエルンは広がりを見せます。

1806年には、マクシミリアン4世が初代バイエルン国王に即位し、バイエルン選帝侯領は正式に新たに成立したバイエルン王国の一部となりました。これにより、バイエルンは新しい国家体制のもとで発展し続ける道が開かれました。

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