バイオ技術者認定試験

バイオ技術者認定試験

バイオ技術者認定試験（バイオぎじゅつしゃにんていしけん）は、NPO法人日本バイオ技術教育学会（Japan Association of Biotechnology Education； JABE）が主催する、バイオテクノロジー分野の専門知識と技術力を評価・認定する民間資格試験です。生命科学や生物工学の知識が重要となる現代において、国内でバイオテクノロジーに関する専門性を証明できる数少ない資格の一つとして位置づけられています。

試験区分

本試験には、学習レベルや実務経験に応じて、以下の3つの区分が設けられています。

初級

主に農業系の高等学校などでバイオ技術の基礎を学ぶ学生などを対象としています。

中級

遺伝子組換え技術、細胞融合技術、生物の増殖能力や生物由来材料の利用技術といった主要なバイオテクノロジーに加え、それらを実施するための安全管理に関する知識を広く持ち合わせているかを評価します。このレベルの認定者は、適切な指導者のもとでバイオテクノロジーを実践的に応用できる資質を有するとされます。

上級

生命工学技術の中でも、特に生物利用技術を中心として、遺伝情報の利用、増殖能の活用、そして高度な安全管理技術に関する深い知識を持つことが求められます。指導的な立場でこれらの技術をバイオテクノロジーに応用・発展させることができる、高い資質を備えた技術者であることを認定します。

受験資格

各試験区分には、以下の受験資格が定められています。

初級

（特段の資格要件は定められていません）

中級

以下のいずれかの条件を満たす者。

大学、短期大学、専門学校でバイオ技術に関連する課程を卒業した者、または第2学年を修了した者および修了見込みの者。
高等専門学校でバイオ技術に関連する課程を卒業した者および卒業見込みの者。
高等学校卒業後、バイオテクノロジー関連の業務で3年以上の実務経験を有する者。
その他、上記の各項と同等以上の能力や経験を有すると日本バイオ技術教育学会が認めた者。

上級

以下のいずれかの条件を満たす者。

中級バイオ技術者認定試験に合格し、認定証を取得している者。
大学でバイオ技術に関連する課程の第3年次を修了見込みの者、卒業した者、または卒業見込みの者。
3年制の専門学校を卒業した者、または卒業見込みの者。

試験日程

例年、中級および上級試験は2月の第一日曜日に実施されています。一方、初級試験は例年7月中旬に実施されるのが通例です。

誤用について

インターネット上の情報や一部の出版物において、本資格が「バイオ技術士」と表記されることがしばしば見受けられます。しかし、これは正確な表記ではありません。「技術士」とは、技術士法に基づいて国が認定する国家資格を指します。技術士資格は名称独占資格であり、技術士の登録を受けていない者が「技術士」という名称を使用することは法律で禁止されており、違反した場合には罰則が科される可能性があります。

バイオ技術者認定試験は、日本バイオ技術教育学会が認定する民間資格であり、国家資格である技術士とは異なります。混同しないよう注意が必要です。

関連項目

日本の環境に関する資格一覧

外部リンク

* NPO法人日本バイオ技術教育学会

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