バイス (KOF)

バイス：ザ・キング・オブ・ファイターズシリーズの冷酷な美女

バイスは、SNKの人気対戦格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』（KOF）シリーズに登場する魅力的なキャラクターです。妖艶な容姿とは裏腹に、残忍で冷酷な本性を秘めた彼女は、ゲーム史上に名を刻む人気キャラクターの一人となっています。

ルガール秘書からオロチ八傑集へ

最初に登場したのは、KOFを開催したルガール・バーンシュタインの秘書としてでした。'95での中間デモでは、ルガールに大会の進捗を報告する姿が確認できますが、この時点では彼女の真の姿は隠されていました。実はバイスは、マチュアと共にオロチ八傑集の一員であり、ルガールの監視という重要な役割を担っていたのです。高い秘書スキルを持ち、マチュアと共に秘書検定一級の資格を有しているという設定も存在します。

八神庵との因縁

ルガールの死後、バイスはマチュアと共に、瞑想中の八神庵の前に現れます。いきなり攻撃を仕掛けますが、庵はこれを看破し、逆に彼女たちの衣服を燃やしてしまうほどの圧倒的な力を見せつけます。しかし、バイスは庵に「KOFに出場しないか」と持ちかけ、色仕掛けまで使って彼をチームに引き入れます。庵は彼女たちの真意を見抜いていましたが、利用価値を見込んだ上でこの提案を受け入れるのです。

バイスとマチュアの目的は、八尺瓊一族の血を引く庵の監視でした。'96の大会を通して、庵は彼女たちがオロチ一族であることを知りますが、バイスはそれを冷静に受け止め、庵を手駒として利用したことを隠しません。その後、オロチ四天王のゲーニッツが現れ、事態はさらに複雑化します。しかし、バイスたちはゲーニッツに従うどころか、彼に反抗する姿勢を見せます。これは、彼女たちが本来の目的を超えて、庵自身に強い興味を持つようになったことを示唆しています。

死と復活、そして新たな物語

ゲーニッツを倒した後、暴走した庵によってマチュアと共に重傷を負ったバイスは、その後しばらく生死不明となります。'97では庵の夢枕に現れる描写があり、'96のエンディングでは死亡扱いでしたが、『XIII』ではマチュアと共に再び庵の前に姿を現します。庵からは「亡者」と呼ばれ、ゲームの地の文でも「命を絶ったはずの女」と表現されていますが、『XIII』での草薙京や『XIV』でのザナドゥの台詞から、死後復活したことが示唆されています。

バイスという名は「悪徳」を意味する英語であり、同時に「代理」を表す接頭辞でもあります。それが本名か、それとも通り名かは不明で、『CvS』シリーズでは「不明」とされています。

ゲームにおけるバイス

バイスは、マチュアと多くの通常技を共有しますが、『'96』では突進技を持たず、機動力にやや欠けるのが特徴です。しかし、その真価を発揮するのは接近戦であり、強力な投げ技を駆使して相手を圧倒します。

'98では突進技「メイヘム」が追加され、連続技のバリエーションが増加。攻撃力が高いため、ゲージを溜めてパワーMAXを発動すれば、さらに強力な攻撃を繰り出すことができます。

『CvS』シリーズでは、通常版とは別にEXキャラクターが存在し、技も異なります。

技の解説

バイスの技名は、多くのヘヴィメタルバンドや楽曲に由来しています。

通常技: デスブロウ、バックラッシュなど

特殊技: モンストロシティー、ドッケンなど

必殺技: アウトレイジ、レイヴナス、ディーサイド、ゴアフェスト、ブラックンド、メイヘム、ミサンスロウブなど。シリーズによって技の性能や追加・削除があります。

超必殺技: ネガティブゲイン、ウィザリングサーフェス、オーバーキル、ダイイング・フィータス、カンニバル・コープス、アウェイキングブラッド、オプスキュラなど。シリーズによって技の演出や性能が変化しています。

様々なメディアでのバイス

バイスは『KOF』シリーズ以外にも、『CvS』シリーズや様々なコミカライズ作品、実写映画などにも登場し、その姿を変えながら物語を彩っています。それぞれの作品で異なる解釈がなされており、彼女の多面的な魅力が垣間見れます。特に、実写映画版ではマチュアとの同性愛関係が描かれるなど、オリジナルゲームとは異なる表現がなされています。

まとめ

バイスは、その複雑な過去、魅力的な容姿、そして圧倒的な戦闘能力で、KOFシリーズにおいて重要な役割を担うキャラクターです。彼女の物語は、今後も多くのプレイヤーを魅了し続けることでしょう。

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