バイラクタル TB3

バイラクタルTB3：トルコ海軍の新たな戦力

バイラクタルTB3は、トルコ企業バイカルが開発した中高度長耐久（MALE）無人戦闘機です。特徴は、その艦載能力。短距離離着陸性能と主翼折り畳み機能を備え、航空母艦からの運用を可能にしています。これは、トルコがロシア製のS-400ミサイルシステム導入によるF-35配備断念を受け、代替手段として開発されたものです。

開発の背景：F-35計画からの転換

当初、トルコはF-35戦闘機の導入を予定しており、強襲揚陸艦「アナドル」への搭載を目指していました。しかし、S-400導入を巡る問題により、F-35計画からの脱退を余儀なくされました。この状況を打破するため、トルコは独自の艦載型無人機開発に着手。その成果がバイラクタルTB3です。短距離離着陸能力を持つ無人機は、限られた空間での運用に最適です。これは、航空母艦のような空間が限られた環境での運用において大きな利点となります。

開発と性能

バイラクタルTB3は、既に実戦配備されているバイラクタルTB2をベースに開発されました。2020年10月29日にその存在が公表され、国産エンジンPD-170またはその派生型の搭載が発表されました。バイカル社は、このエンジンを「同クラス世界最高性能」と謳い、TB3の高い性能をアピールしました。

TB3の開発は順調に進み、2023年3月27日に最初のプロトタイプが公開されました。その後、同年10月には初飛行と離着陸試験を実施。11月には着陸装置を格納した状態での飛行にも成功しました。2024年6月には、陸上試験施設のスキージャンプ台からの離陸試験も成功し、実用化に向けて大きく前進しています。

主要な性能諸元

多様な武装と先進技術

バイラクタルTB3は、多様な武装を搭載可能です。精密誘導爆弾、対戦車ミサイル、ロケット弾など、様々なミッションに対応できる柔軟性が備わっています。また、最新のAselsan CATS EO/IR/LDイメージング・照準センサーシステムとの統合も予定されており、情報収集能力も高いレベルにあります。

将来展望

バイラクタルTB3は、トルコ海軍の無人機戦力の中核として、今後ますます重要な役割を担うことが期待されます。その運用は、トルコの海洋戦略において大きな意味を持つでしょう。また、本機の成功は、トルコの防衛産業技術力の高さを示すものともいえます。さらなる性能向上や、新たな技術の導入も期待されます。

まとめ

バイラクタルTB3は、F-35計画からの転換を余儀なくされたトルコが、独自の技術力で開発した画期的な無人戦闘機です。その性能、武装、開発経緯を理解することで、トルコの防衛戦略や技術力の一端を垣間見ることができます。今後の発展にも注目が集まります。

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