バイラクタル TB2

バイラクタル TB2

バイラクタル TB2（Bayraktar TB2）は、トルコのBaykar Defence社が主にトルコ空軍向けに開発した中高度長時間滞空型の無人戦闘航空機（UCAV）です。この機体は、地上の操縦者によるテレオペレーションだけでなく、自律的な飛行操作にも対応しています。

概要

バイラクタル TB2は、トルコ国内外で高い評価を受けており、その名はトルコ語で「軍旗」や「旗手」を意味します。このドローンの開発には、トルコの大統領エルドアンの娘婿であるセルチュク・バイラクタルが大きく貢献しました。トルコ軍は、他の無人航空機と異なるカテゴリーとしてこの機体を扱っていますが、国際基準では中高度長時間滞空型に位置付けられています。

当初、バイラクタル TB2は複数の外国製部品に依存していましたが、特に2019年のカナダによる技術輸出禁止に伴い、トルコ国内での技術革新が求められました。その後、トルコのアセルサン社製のCATS FLIRを搭載するなど、国産化を進めています。これにより、バイラクタル TB2は多くの国で支持される存在となりました。

特徴

バイラクタル TB2は、逆V字の尾翼を持ち、ブレンデッドウィングボディデザインを採用しています。すべての主要部品はモジュール式であり、修理や整備が容易です。カーボンファイバー製の胴体は軽量でありながら耐久性を確保し、燃料消費は高度なセンサーテクノロジーで効率的に管理されています。地上管制ステーション（GCS）もNATO準拠であり、多重冗長化されたシステムを備えています。

さらに、バイラクタル TB2は最大150kgまでの武器を搭載可能で、対戦車ミサイルや誘導爆弾、ロケット弾を運ぶことができます。これにより、対地攻撃能力が強化されています。

開発と運用履歴

2014年に初飛行を果たして以来、バイラクタル TB2は数多くの国で運用されています。特にイラク、リビア、シリアでの使用例があります。リビアの内戦では、政府側が国民軍の攻撃に使用し、その効果を発揮しました。また、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争でも活躍し、トルコ製ドローンの優位性を示しました。生産された機体は、トルコ国内だけでなく、ウクライナやカタール、アゼルバイジャンなどの国々にも供給されています。

政治アナリストは、バイラクタル TB2の成功がトルコの戦略的影響力の向上に寄与していると指摘しています。特に、ウクライナでは同機が抵抗の象徴となり、文化的にもその名を冠した作品が生まれています。バイラクタル TB2は、最新のドローン技術を駆使した無人航空機の姿として、今後も様々な場面で活躍することでしょう。

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