バウンティフルへの旅

バウンティフルへの旅

『バウンティフルへの旅』（The Trip to Bountiful）は1985年に公開されたアメリカのドラマ映画で、ピーター・マスターソンが監督を務めました。この作品は、ホートン・フートが1953年に手掛けたテレビドラマを基にしており、後に舞台化もされています。映画では、アカデミー賞を受賞したジェラルディン・ペイジをはじめ、レベッカ・デモーネイなどがキャストに名を連ねています。

物語のあらすじ

ストーリーは1940年代のアメリカ、第二次世界大戦後の時代が舞台です。高齢のワッツ夫人（演：ジェラルディン・ペイジ）はヒューストンの狭いアパートで、息子夫婦と不便な共同生活を送っています。息子の妻であるジューシー・メイからの執拗な干渉に悩まされ、心の中では故郷バウンティフルへの帰郷を強く望んでいます。彼女は、かつての輝きを取り戻すための小さな夢を抱いているのです。

ある日、ワッツ夫人は年金小切手と貯金を持って駅へ向かいます。バウンティフルの駅が廃止されていることを知ると、年老いた彼女には現実を受け入れるのが難しく、新たな旅を決意します。通常であれば息子たちに見つかるところですが、今回は長距離バスに乗り、懐かしい思い出を胸に秘めたまま、旅を続けることができました。

バスの中、彼女は若い女性セルマと出会い、共に時間を過ごす中で、過去の若き日の思い出が蘇ります。ワッツ夫人は若い頃に愛した人との別れや、親が不仲だったために結婚を果たせなかった事実を思い返します。赤ん坊を二人も失い、数多の苦難を乗り越えてきた彼女の人生には、様々な出来事が刻まれていました。

深夜、バウンティフルまであと20キロの町に到着したワッツ夫人は、期待していた幼馴染が死んだと告げられます。しかし、彼女は年金を現金化してまでも故郷に住む決意をし、待合所のベンチで眠り込むことに。そんな彼女を見つけた保安官が、ヒューストンから迎えに来るはずの息子を知らせます。ワッツ夫人は「どうしてもバウンティフルに行きたい」と叫び、親切な保安官はその願いをかなえるために車で送ることにしました。

バウンティフルに着くと、ワッツ夫人の生家は荒廃していましたが、かつての思い出が詰まった地を踏むことで彼女は一ヶ所で生き続ける大切さを再確認します。物語の終わりには、ワッツ夫人は息子夫婦とともに、昔の愛や思い出を大切に心を寄せて共に過ごす決意をします。

作品の評価

映画批評サイトのRotten Tomatoesでは、すべてのレビューが高評価を得ており、平均点は7.22/10です。また、Metacriticでは81点という高得点を保持しています。特に、ジェラルディン・ペイジの演技が高い評価を受けていることが印象的です。

この映画は、故郷への愛と家族の絆を描いた感動的な物語で、多くの人々に深い印象を与えています。

もう一度検索