バカラ (ガラス)

バカラ：クリスタルの芸術と伝統が織りなす輝き

バカラは、フランスを代表するラグジュアリーブランドとして、世界中でその名を知られています。クリスタルガラス製品の製造において卓越した技術と芸術性を誇り、その製品は、テーブルウェアからアクセサリー、シャンデリア、さらには噴水に至るまで多岐に渡ります。

妥協なき品質へのこだわり

バカラの製品は、その高い品質基準によって知られています。製造された商品のうち、消費者の手に渡るのはわずか6～7割。残りの多くは、厳しい品質検査を通過しなかったため、惜しまれながらも破棄されます。この徹底した品質管理こそが、バカラの揺るぎない信頼の礎となっています。また、フランス国家最優秀職人章（M.O.F.）を受章した職人を50名以上輩出するなど、高い技術力もバカラの特徴です。

王室御用達の歴史

バカラの輝かしい歴史は、ルイ18世をはじめとするフランス王室からの注文に始まります。以来、イギリス王室、ロシア皇室、モロッコ王室、タイ王室、そして日本の皇室と、数多くの王室から愛され続けてきました。昭和天皇が皇太子時代にパリのバカラショップを訪れたという逸話も残されています。こうした王室からの信頼が、バカラのブランドイメージを決定づける大きな要素となっています。

歴史を彩る出来事

1764年、ルイ15世の許可により、ロレーヌ地方のバカラ村にガラス工場が設立されました。1816年にはクリスタルガラスの製造を開始、1841年には現在も続くロングセラーシリーズ「アルクール」が誕生するなど、バカラの歴史は数々の出来事で彩られています。1896年にはロシア皇帝ニコライ2世からの特注を受け、豪華なグラスセットを納入。1948年には米国支社をニューヨークに設立し、グローバル展開を加速させました。1964年には創設200周年を記念した展覧会がルーブル美術館で開催されるなど、バカラの歴史は常に注目を集めてきました。2003年には、パリ16区に「メゾン・バカラ」が開館、2017年には中国の投資会社がバカラの経営権を獲得するなど、近年の動きも注目に値します。

代表的なシリーズ

バカラは、アルクール、コンコルド、タリランド、パーフェクション、パルメ、ベガ、マッセナ、ローハンなど、数多くのシリーズを世に送り出してきました。それぞれのシリーズは、独自のフォルム、カット、装飾によって、個性豊かな魅力を放っています。「アルクール」の力強いフォルム、「コンコルド」のゴージャスな金彩、「マッセナ」の華やかなカットなど、それぞれのデザインには、バカラの技術と美意識が凝縮されています。

メゾン・バカラ：クリスタルの世界観を体感できる空間

パリ16区のエタ＝ジュニ広場近くにある「メゾン・バカラ」は、バカラのミュージアム、ブティック、レストラン＆バーが一体となった複合施設です。かつてノアイユ子爵夫人の私邸であった建物を改装してオープンしたこの施設は、157灯の巨大シャンデリアや13.5メートルのガラステーブルなど、バカラの作品が数多く展示されており、訪れる人々にクリスタルの世界観を存分に体感させてくれます。レストランでは、バカラの代表作である「アルクール」グラスが使われています。

バカラの未来

バカラは、伝統を継承しながらも、常に革新を続けるブランドです。これからも、その輝きと技術で、世界中の人々を魅了し続けることでしょう。長きに渡り培われた高い技術と芸術性を背景に、バカラは未来に向けて、更なる進化を遂げていくことでしょう。

もう一度検索