バグダード国際空港

バグダード国際空港の歴史と運航状況

概要

バグダード国際空港（IATA: BGW）は、イラクの首都バグダードに位置する主要な国際空港です。開設当初、サッダーム・フセインの名を冠した「サッダーム国際空港」として知られていましたが、2003年のイラク戦争の後に改称されました。

開港から1991年までの変遷

1979年から1982年にかけて、フランスの企業の協力を得て建設され、総工費は約9億ドルに達しました。この空港は多数のボーディングブリッジを有し、ボーイング747などの大型機も受け入れることができました。この時期、年間750万人の利用客を処理できる能力があり、イラクのフラッグ・キャリア「イラク航空」のハブ空港として機能していました。また、アジアやヨーロッパ、アフリカへの定期便も多数運航され、日本の航空会社も利用していました。

しかし、1986年のイラク航空163便のハイジャック事件や、1987年の大韓航空858便の爆破事件など、空港周辺には危険が伴う出来事が発生しました。

1991年から2003年までの停滞

湾岸戦争以降、国連の制裁や航空禁止区域の設定により、ほとんどの民間航空業務は停止されました。このため、空港内には使用されず放置された機材が目立ち、イラク航空は国内便のみを運航する状態が続きました。

イラク戦争中の状況

2003年のイラク戦争では、アメリカ軍が空港を占領し、名称が「バグダード国際空港」に変更されました。この間、アメリカ軍は数千名の兵士を配置し、食料供給なども行われました。ブッシュ大統領が突如として訪れたことが報じられるなど、空港は国際的な注目を集めました。

2004年以降の再開

2004年からは公式に民間航空事業が再開されました。イラク航空も復活し、定期便の運航を再開しましたが、依然として周辺の治安が懸念され、特にバグダード市中心部との接続道路は危険なエリアとして知られていました。しかし、現在では厳重な警備が進み、ビジネス需要の高まりから、多くの航空会社が路線を展開しています。

2020年の事件

2020年1月には、バグダード国際空港でのロケット攻撃事件が発生し、重要人物が暗殺されるという衝撃的な出来事がありました。

現在の就航状況

さまざまな旅客航空会社が国際線を運航しており、多くの都市へのアクセスが可能になっています。また、貨物便も含めた利用状況は、イラクの経済発展にも寄与しています。

バグダード国際空港は、その地理的位置と歴史的な背景から、イラクの交通の要所として重要な役割を果たしています。

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