バスウェイ (観光バス)

株式会社バスウェイ

概要

東京都清瀬市に拠点を置く株式会社バスウェイは、貸切バス事業を専業とするバス会社です。2001年に設立された比較的新しい事業者ですが、その最大の特徴は、単なる企業活動ではなく、バス愛好家団体を母体としている点にあります。このユニークな成り立ちから、一般的なバス会社とは一線を画す存在として知られています。

ユニークな設立背景

会社の起源は、1996年に設立されたバス愛好家団体「東京バスリサーチ」にさかのぼります。この団体の中心となったのは、それぞれ大手バス会社（西武バスと関東バス）での勤務経験を持つ現在の社長と運行部長でした。彼らは、当時のバス趣味雑誌『バスメディア』を通じて知り合い、バスへの情熱を共有しました。共に日本国内外で特定のバス車両（日産ディーゼル・U32型）の写真撮影を行う活動を展開した後、1996年に現社長の元勤務先であった西武バスから中古車両（P-U32L）を購入しました。これが単なる趣味の枠を超え、事業化へと向かう決定的な契機となります。バスへの熱意が高じて、2001年9月5日に法人として「有限会社バスウェイ」が設立され、東京バスリサーチの活動が正式な事業へと発展したのです。

事業の歩み

設立当初、同社は埼玉県東松山市で創業しました。2002年4月1日からは埼玉県全域を対象に貸切バス事業を開始し、大型4台、小型1台体制で営業をスタートさせます。その後、経営体制の強化を図るため、2005年2月7日には有限会社から株式会社へ組織変更を行いました。同年6月3日には、本社営業所を現在の東京都清瀬市に移転すると同時に、車庫も埼玉県所沢市南永井へ移転。事業区域も東京都（島しょ部除く）中心に再編成し、埼玉県での事業を一時的に撤退しました。しかし、翌2006年4月26日には埼玉県新座市および所沢市の一部区域を再び事業区域に加え、同年8月7日には車庫を現在の埼玉県新座市大和田に移転しています。さらに、同年11月26日には第二種旅行業免許を取得し、事業の幅を広げました。2017年1月以降は、伊豆大島のバス事業者である大島旅客自動車への車両・乗務員派遣を継続的に実施し、業務協力関係を築いています。2018年3月28日には東京バス協会に加盟し、業界内での連携も強化。同年12月には道路工事に伴う車庫移転も行っています。2023年1月には高速乗合バスの管理受託認可を受け、特定の高速バス（Dts line、運行:Dts creation）の運行業務にも携わるようになりました。

特色ある運行

バスウェイは、一般の貸切運行に加え、特徴的な自主企画運行も行っています。中でも広く知られているのが、コミックマーケット開催期間中に運行される会場直行バスです。「有明コミックドリーム」や「AKIBA EXPRESS ありあけ号・けよりな号」といった名称で運行されており、特に後者は、以前に栃木県のバス愛好家団体「アキバエクスプレス」が自主的に運行していたものを同社が引き継いだものです。こうした運行は、同社のバス愛好家としてのルーツを色濃く反映しています。

保有車両と整備体制

保有車両についても、同社の個性が見られます。設立初期には、社長の元勤務先である西武バスや東京都交通局からの中古路線バスを導入していました。また、当時の役員が個人所有していた車両が会社に現物供与される形で導入された例もあり、スーパーハイデッカーや小型車なども一時的に保有していました。2023年現在、保有する車両は主に日野自動車製と三菱ふそうトラック・バス製で、全てハイデッカータイプのバスに統一されています。東京進出時に初めて導入された新車、日野セレガRFD以降、数年ごとに自社発注による新車への代替を進めています。2018年には、業務協力関係にある大島旅客自動車からトヨタ・ハイエースが移籍しました。なお、三菱ふそうエアロエースの一部車両は、2023年に入り、高速バスでの運用を想定した改造（車外スピーカー、降車ボタン設置など）が行われています。
同社は自社で車両点検設備を持たないため、整備業務は東京日野自動車、南関東ふそうといったメーカー系指定工場や、運行部長の元勤務先である関東バスに委託していることを公表しています。

カラーリング

バスウェイの保有車両（一部を除く）の最大の特徴は、そのカラーリングにあります。経営陣が鉄道ファンであることから、かつてJR西日本が急行「きたぐに」用として使用していた583系電車の寝台特急色を模したデザインが採用されています。これは、バス愛好と鉄道愛好という二つの趣味が高じて設立された同社ならではのユニークな取り組みと言えます。

事業所

本社 - 東京都清瀬市下宿2-419-1
車庫 - 埼玉県新座市大和田

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