バスティーユ広場

バスティーユ広場について

バスティーユ広場（Place de la Bastille）は、フランスの首都パリに位置し、4区、11区、12区の3つの区にまたがる重要な広場です。この広場の名前は、かつて存在したバスティーユ牢獄に由来しています。広場周辺の地域は一般的に「バスティーユ」と呼ばれており、歴史的な背景を持ちながらも現代的な雰囲気を楽しめるスポットとなっています。

歴史的背景

フランス革命以前、バスティーユ牢獄は1370年から1383年に建設され、当初はパリを防衛するための要塞として機能していました。しかし、17世紀に入るとルイ13世の宰相リシュリューの手によって政治犯収容所へと変貌を遂げました。この結果、宗教犯や文学者などの民衆を扇動した者たちも収監されるようになり、牢獄は次第に悪政の象徴として知られるようになったのです。

中庭と武器庫を囲むように設置された高さ24メートルの八つの塔は、広大な防壁とも連結しており、囚人たちはこの塔の5階から7階に収容されていました。管理者は囚人の身分によって手当てが異なり、学者は高額な手当を得ていたため、生活環境に差が出ていました。とはいえ、バスティーユ牢獄自体は、極悪な看守や地下牢のイメージとは異なり、他の監獄に比べて比較的良好な環境であったことも事実です。

バスティーユ襲撃事件

1789年7月14日、バスティーユ襲撃事件はフランス革命の象徴的な出来事として広く知られています。当時、民衆の不満が高まり、圧政を象徴するバスティーユを襲撃することになりました。襲撃当時、牢獄にはたった7人の囚人が収容されていましたが、その内訳は偽造犯や精神疾患のある人々で政治犯はいませんでした。この事件は、多くの市民が集結し、牢獄の武装解除や武器の解放を要求する形で展開されました。

群衆は昼過ぎに一部が中庭に侵入し、守備兵との銃撃戦に発展。一方で、低い訓練を受けた兵士たちが守備側に配置されていたため、戦闘は長引きました。しかし、最終的には襲撃側が勝利を収め、牢獄は午後5時30分頃に陥落しました。

襲撃後のバスティーユ

牢獄は襲撃後すぐに解体され、1792年には新しい自由のシンボルとなるオブジェが建設される計画が立ちました。ナポレオン・ボナパルトは新たに象をモチーフにした記念碑を建設しようとしましたが、最終的にはその計画は実現しませんでした。1833年、ルイ・フィリップが現在の7月革命記念碑の建設を決定し、バスティーユの象は撤去されることとなります。

1910年以降この場所は市民の憩いの場となり、さまざまな文化イベントや市場が開催されるようになりました。広場には、オペラ・バスティーユが立ち、パリの重要な文化拠点の一つとされています。また、広場の南側にはアルスナル港があり、サン・マルタン運河と接続しているため、多くの遊覧船が出入りします。火曜日と日曜日には広場の公園で青空市場が開かれ、多彩な商品が並びます。

現代のバスティーユ広場

今日、バスティーユ広場はカフェやショップ、オフィスが立ち並ぶ賑やかな商業地域となっています。地下鉄のバスティーユ駅や周辺の道路の整備は進んでおり、特に夜になると多くの人々が集う活気あるスポットとなります。また、広場の近くには、バスティーユ牢獄の塔の遺構が展示されており、かつての歴史に思いを馳せることができる場所でもあります。

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