バストランド

バストランド植民地は、現在のレソトに相当する地域に存在した、イギリスの直轄植民地です。その歴史は、イギリスの保護領としての時代から始まり、ケープ植民地への編入、そして再び分離独立へと至る複雑な道のりを辿りました。

バストランド保護領の成立

1868年3月12日、バストランドはバストランド保護領としてイギリスの保護国となりました。これは、当時、周辺地域で勢力を拡大していたボーア人国家からの圧力を受けたモショエショエ1世の要請によるものでした。イギリスの保護下に入ることで、バストランドは独立を維持し、その領土を保全することができました。

ケープ植民地への編入と分離

1871年8月11日、バストランドはケープ植民地に編入されました。しかし、ケープ植民地の統治はバストランドの人々には馴染まず、不満が高まりました。その結果、1884年3月18日、バストランドはバストランド植民地としてケープ植民地から分離し、高等弁務官を通じてヴィクトリア女王の直接権限下に置かれることになりました。これにより、バストランドは再びイギリスの直轄植民地としての地位を確立しました。

内政自治権の獲得と独立

その後、バストランドはイギリスの統治下で ধীরে ধীরে 自治権を拡大していきました。1965年4月30日には内政自治権を獲得し、政治、経済、社会の各分野で独自の政策を展開できるようになりました。そして、1966年10月4日、バストランドはイギリスから独立を果たし、レソト王国として新たなスタートを切りました。国歌は「God Save the King」（英語: 国王陛下万歳）が用いられました。

バストランド植民地の歴史は、レソト王国の独立と発展の礎となりました。イギリスの保護領、ケープ植民地への編入、そして再び分離独立という複雑な過程を経て、レソトは独自の文化とアイデンティティを育み、今日に至っています。

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