バタイスク

バタイスク（Батайск）

バタイスクは、ロシア南部のロストフ州に位置する都市です。州都のロストフ・ナ・ドヌから北西に約15km、ドン川の対岸にあります。2021年の人口はおよそ12万7000人です。

歴史

この町の起源は1769年にさかのぼります。その当初、バタイスクはアゾフ海に流れ込むドン川にそびえる重要な港町アゾフを守るために設立されました。ロシアとオスマン帝国の間で行われていた露土戦争（1768〜1774年）を背景に、バタイスクは戦略的な基地としての役割を果たしました。この地域には以前、オスマン帝国のバタイ要塞が存在しており、その名前がバタイスクの由来となっています。

19世紀になると、バタイスクは軍事的な重要性を失いましたが、ロシア中央部からクバン川地方へ向かう交通路に位置していたため、経済的に発展していきました。1875年には北カフカスへ向かう北カフカース鉄道が完成し、町の発展を後押ししました。

1930年代、バタイスクは工業の発展を遂げ、初めて電気が通るようになりました。1938年には市に昇格し、人口は5万人に達しました。この時期に設立された赤軍の飛行士訓練学校には、後に宇宙飛行士となるウラジーミル・コマロフなどの著名な卒業生が輩出されました。

第二次世界大戦中の1942年7月には、バタイスクを巡って赤軍とドイツ軍の間で激しい戦闘が展開されました。ドイツ軍はドン川を渡るための橋頭保を確保し、北カフカスへ攻勢をかけましたが、スターリングラードの戦いでの赤軍の勝利を受けてバタイスクも奪還されました。この戦闘では多くの市民が犠牲となりましたが、戦後は急速に都市基盤の再建が進められ、1950年代から1960年代にかけて町の規模は大きく拡大しました。

産業

バタイスクの産業には、主に近隣の大都市ロストフ・ナ・ドヌの需要に応えるためのものが多く含まれています。食品業、繊維業、建材、コンクリートなどの製品が生産されています。また、町は交通の要所であり、高速道路M4や鉄道の分岐点でもあるため、物流や貨物の拠点としての機能を果たしています。

出身者

バタイスクは、著名な陸上選手タチアナ・ルイセンコを輩出しています。彼女は地元の誇りとなっています。

外部リンク

• - バタイスクの公式サイト（ロシア語）
• - モジゴロドのバタイスクページ（ロシア語）

もう一度検索