バックドラフト (映画)

映画『バックドラフト』：炎と兄弟の絆を描くアクションスリラー

『バックドラフト』（1991年）は、ロン・ハワード監督が手掛けた、消防士の兄弟を主人公にしたアクションスリラー映画です。シカゴを舞台に、火災現場での消防士たちの活躍と、複雑に絡み合う人間関係、そして連続放火事件の謎をスリリングに描いています。

あらすじ

1971年、シカゴ。幼いブライアンは、消防士の父デニスが殉職する場面を目撃します。その20年後、ブライアンは兄スティーブンと同じく消防士の道を選びますが、配属されたのは兄が隊長を務める過激な第17分隊でした。消防士としての経験が浅いブライアンは、常に優秀な兄との比較に悩みを抱えていました。

そんな中、シカゴではバックドラフト現象を利用した連続放火事件が発生します。変わり者の捜査官リムゲイルと共に事件を追うことになったブライアンは、次第に炎の本質を理解していきます。事件の背後には、消防署の合理化を進める市議会議員スウェイザックの存在がありました。彼は、消防士たちの命を危険に晒していると非難されており、スティーブンとも対立していました。

ブライアンは、兄との確執、消防士としての未熟さ、そして放火事件の真相解明という、いくつもの困難に直面します。しかし、過酷な火災現場での経験と、リムゲイルとの捜査を通じて、ブライアンは次第に成長し、兄との絆を深めていきます。

連続放火事件の犯人は、なんと17分隊に所属する消防士アドコックスでした。彼は、私腹を肥やすために消防士を犠牲にする議員たちを許せず、犯行に及んだのでした。最終的に、アドコックスは炎の中で命を落とし、スティーブンも重傷を負い、ブライアンの目の前で息を引き取ります。ブライアンは、事件の真相を公表し、スウェイザックの不正を暴きます。

事件後、ブライアンは再び消防士として17分隊に戻り、新入隊員の指導をするまでに成長しました。彼は、亡くなった兄の意志を継ぎ、立派な消防士として新たな道を歩み始めます。

登場人物

ブライアン・マカフレイ：本作の主人公。兄へのコンプレックスを抱えつつ、成長していく新米消防士。
スティーブン・マカフレイ：ブライアンの兄。優秀な消防士であり、第17分隊の隊長。
ドナルド・リムゲイル：放火犯罪調査官。過去に消防士として勤務していた。
ジョン・アドコックス：デニスの部下だった消防士。連続放火事件の犯人。
ティム・クリズミンスキー：ブライアンの消防学校の同期。
ヘレン・マカフレイ：スティーブンの元妻。
ジェニファー・ヴァイトクス：ブライアンの昔の恋人で、現在はスウェイザック議員の秘書。
マーティン・スウェイザク：市議会議員。消防予算を削減し、消防隊員から恨まれている。
ロナルド・バーテル：服役中の連続放火魔。
デニス・マカフレイ：スティーブンとブライアンの父。殉職した消防士。

キャスト

カート・ラッセル（スティーブン・マカフレイ役）
ウィリアム・ボールドウィン（ブライアン・マカフレイ役）
ロバート・デ・ニーロ（ドナルド・リムゲイル役）
ドナルド・サザーランド（ロナルド・バーテル役）
スコット・グレン（ジョン・アドコックス役）

製作

ブライアン役のキャスティングには、トム・クルーズ、ジョニー・デップなど、当時の人気若手俳優に声がかかりましたが、最終的にウィリアム・ボールドウィンが選ばれました。スティーブン役は、当初デニス・クエイドにオファーがありましたが、カート・ラッセルが務めることになりました。

評価

映画評論サイトRotten Tomatoesでは、61件のレビューで75%の支持率を獲得し、平均点は6.20/10となっています。Metacriticでは、12件のレビューに基づいて加重平均値が38/100となりました。

余談

劇中に登場するスウェイザクが、パーティーで会ったばかりの客に「あれは誰だ」と秘書に尋ねるシーンがありますが、実はその客は本作のプロデューサーであるラリー・デュウェイでした。

アトラクション

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンには、本作を題材としたアトラクションがあります。以前はユニバーサル・スタジオ・ハリウッドにも同様のアトラクションがありました。

外部リンク

Backdraft | Own & Watch Backdraft | Universal Pictures（英語）
バックドラフト 4K Ultra HD+ブルーレイ | NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン（日本語）
バックドラフト | NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン（日本語）
バックドラフト - allcinema
バックドラフト - KINENOTE
Backdraft - オールムービー
Backdraft - IMDb

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