バック・ユーイング

バック・ユーイング（William "Buck" Ewing, 1859年10月17日 - 1906年10月20日）は、19世紀に活躍したアメリカ合衆国オハイオ州ホーグランド出身のプロ野球選手です。ポジションは捕手で、右投げ右打ちでした。

経歴

1880年にトロージャンズでプロデビュー。1883年にニューヨーク・ゴサムズ（後のジャイアンツ）に移籍し、その年にリーグ最多となる10本塁打を記録しました。これはメジャーリーグ史上初の二桁本塁打記録として特筆されます。翌1884年には、リーグ最多の20本の三塁打を放ち、その打撃センスを遺憾なく発揮しました。

ユーイングは、守備能力、特に正確な送球能力において高い評価を得ていました。ジョン・フォスターは、1938年の著作の中で、彼の送球を「本塁から二塁へボールを手渡すようだ」と表現し、その正確さを絶賛しています。

1890年には、当時のプレイヤーズ・リーグに移籍し、選手兼任監督を務めました。ナショナルリーグに復帰してからは、監督兼任を一旦止めていましたが、シンシナティ・レッズに移籍後の最初の3年間は、再び監督を兼任しました。1897年に選手を引退し、1900年まで監督を務めましたが、リーグ制覇を果たすことはできませんでした。

1906年、ユーイングは糖尿病によりオハイオ州シンシナティで亡くなりました。1939年には、ベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂入り選手に選出されました。19世紀の選手としては、キャップ・アンソンと共に最初の殿堂入りであり、捕手としては初の殿堂入り選手となりました。

その功績は、以下の点で高く評価されています。

メジャーリーグ初の二桁本塁打を記録した先駆者
卓越した守備能力、特に正確無比な送球技術
選手兼任監督としてのチームへの貢献
19世紀を代表する名捕手としての球史への貢献

詳細情報

タイトル
本塁打王：1回 (1883年)

投手成績
通算：登板数9、2勝3敗、防御率3.45

* 年度別監督成績

バック・ユーイングは、19世紀の野球界を彩った偉大な選手の一人として、その名が永遠に語り継がれることでしょう。

もう一度検索