バッグス オーストラリアへ行く

バッグス・オーストラリアへ行く：予期せぬ大冒険

1950年、ワーナー・ブラザースが贈る人気アニメシリーズ『ルーニー・テューンズ』の一編として公開された『バッグス・オーストラリアへ行く』（原題：Bushy Hare）は、陽気なウサギ、バッグス・バニーを主人公とした短編アニメーション作品です。監督はロバート・マッキムソンが務め、メル・ブランクスがバッグスをはじめとする全キャラクターの声優を担当しています。

物語は、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・パークから始まります。歌を歌っていたバッグスは、見知らぬ男から風船を持ってくれるよう頼まれます。しかし、その風船はバッグスを空高く舞い上げ、予期せぬ大冒険の始まりを告げます。

夜空を漂うバッグスは、カンガルーの赤ちゃんを運ぶコウノトリと衝突。赤ちゃんカンガルーはバッグスの風船に乗り移り、バッグス自身はコウノトリに運ばれてしまうというハプニングに見舞われます。気が付けば、バッグスはオーストラリア大陸にいました。

そこで出会ったのは、赤ちゃんカンガルーの母親です。母親にキスをされ驚くバッグスは必死に「僕はあなたの子じゃない！大人のウサギなんだ！」と訴えますが、母親は泣き出してしまいます。事情を説明し謝罪したバッグスは、仕方なく母親を「母ちゃん」と呼びます。

しかし、オーストラリアでの冒険はまだ終わりません。木陰から現れた原住民が、バッグスに襲いかかります。追いかけっこを繰り広げる中、赤ちゃんカンガルーの母親が原住民を蹴飛ばし、事態は収拾に向かいます。

そして、風船に乗った赤ちゃんカンガルーは地上に降り立ち、バッグスは2匹のカンガルーと共にアメリカへの帰路につくのでした。風船に乗っての大冒険、ユニークなキャラクターとの出会い、そして予想外の展開が続く、笑いと感動に満ちた物語が、この作品には詰まっているのです。

この作品は、後に『ワーナーアニメランド ルーニー・テューンズ』や『バッグス・バニー・ショー』などで再放送され、幅広い世代に愛されています。特に、日本では山口勝平さんが4代目バッグス・バニーの声優を務めた作品としても知られています。

『バッグス・オーストラリアへ行く』は、テンポの良いストーリー展開と、メル・ブランクスによる個性豊かなキャラクターボイス、そして予測不能な展開が魅力の作品です。ルーニー・テューンズ独特のユーモラスな世界観と、バッグス・バニーの持ち前の機転と明るさが、観る者を笑顔にする、まさに名作と言えるでしょう。 軽快なテンポと、心温まる感動のラストシーンは、大人も子供も楽しめる、忘れられない作品となっています。

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