バッケム

バッケム：ペプチド医薬品の世界的リーディングカンパニー

バッケム（Bachem Holding AG）は、スイス・バーゼル＝ラント準州ブーベンドルフに本社を置く、ペプチド原薬の開発と製造を専門とするグローバルな医薬品メーカーです。スイス証券取引所にも上場しており、ペプチド医薬品の開発・製造受託において世界的な地位を確立しています。

半世紀にわたる歴史と成長

1971年、バーゼル近郊で創業されたバッケム社は、当初2名体制でペプチド合成に取り組む小さな企業でした。その後、着実な成長を遂げ、1978年には医療用ペプチドの製造を開始、1987年にはアメリカに進出するなど、グローバルな展開を加速させてきました。1998年には株式上場を果たし、さらなる発展の基盤を築きました。

数々の買収もバッケム社の成長を支えてきました。1999年にはPeninsula Laboratories Inc.、2007年にはメルクの無菌ペプチド事業部門であるMerck Biosciences AGを買収。これらの買収は、バッケム社の技術力と生産能力を飛躍的に向上させました。また、2015年にはAmerican Peptide Company Inc.の買収も実現し、北米市場における存在感をさらに強固なものにしています。

バッケム社は、大塚化学との共同研究においても成功を収めています。2011年に開始された糖鎖工学研究所との共同研究では、インターフェロンβ-1aの化学合成による工業化プロセス開発に成功するなど、技術革新への取り組みを継続しています。

グローバルな事業展開と顧客基盤

現在、バッケム社はアメリカ、スイス、イギリス、デンマークなど世界各国に拠点を持ち、大手製薬企業にペプチド原薬を供給しています。売上高の内訳は、欧州とアジア地域が約6割、北米が約4割を占めており、グローバル市場において確固たる地位を築いています。

アジア市場における戦略

アジア市場における事業強化のため、2018年7月には日本法人のバッケムジャパン株式会社を設立しました。東京にオフィスを構え、日本を含むアジア地域におけるペプチド原薬の販売事業を展開しています。日本市場への積極的な取り組みは、バッケム社の更なる成長を加速させる重要な要素となっています。

未来への展望

ペプチド医薬品は、近年ますます注目を集めており、その市場は拡大の一途を辿っています。バッケム社は、長年にわたる経験と技術力、そしてグローバルなネットワークを活かし、今後もペプチド医薬品分野をリードしていくことが期待されています。革新的な技術開発と高品質な製品提供を通じて、医療業界に貢献し続ける存在として、その未来は明るいと言えるでしょう。

まとめ

バッケム社は、ペプチド医薬品の世界的リーダーとして、半世紀以上にわたり医療業界に貢献してきました。その歴史、技術力、そしてグローバルな事業展開は、今後の成長を約束するものです。日本のバッケムジャパン株式会社の設立も、アジア市場における更なる発展を示唆しています。バッケム社の今後の動向は、ペプチド医薬品業界の未来を占う上で重要な指標となるでしょう。

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