バッジョシアン

バッジョシアン

バッジョシアン（英語: Bajocian）は、ジュラ紀に属する地質時代の一つで、約1億7030万年前から1億6830万年前にかけて存在しました。この名称は、フランスのノルマンディー地方にあるバイユー（ラテン語: Bajoce）に由来しています。バッジョシアンのタイプ地層は、現在のポルトガルのカボ・モンデゴに位置しています。

バッジョシアンには、いくつかの異なる階が存在しますが、「バジョース階」や「バッジョシアン階」と呼ばれる名称は、特定の時代を指すものではありません。それぞれの階は地層に適用される単位であり、これらの層序名は、時代名である「バジョース期」や「バッジョシアン期」と対を成す関係にあります。詳細な情報は、「累代」について調べることで得られます。

日本におけるバッジョシアンの証拠

日本でのバッジョシアンに関する研究は主に三重県の志摩半島に集中しています。この地域に分布する秩父累帯北帯白木層群からは、6ヵ所から放散虫化石が発見されています。その中でも、北部、南部、中央部の精度の高い確認地点からは、バッジョシアン階から下部バトニアン階に相当する証拠が示されています。このことから、白木層群はバッジョシアン期から前期バトニアン期にわたる短期間で堆積したと考えられています。

さらに、陸上の生砕屑岩年代に関する比較研究から、秩父累帯北帯に存在する上吉田ユニットが白木層群と対応する可能性が高いことが示唆されています。この発見は、日本におけるジュラ紀の地層と化石の関連性を解明する上で重要な証拠となります。

群馬県東部に位置する八王子丘陵でも、興味深い発見があります。この地域には、チャートと泥質混在岩からなるジュラ紀の付加体である足尾テレーンが露出しており、ここからもバッジョシアンからバトニアンにかけての放散虫化石が産出されています。

岐阜県西部の舟伏岩体東部にある舟伏山ユニットからも、上部バッジョシアンから下部バトニアンに相当する放散虫化石が見つかっています。具体的には、Striatojaponocapsa plicarum帯の化石が確認されました。これにより、この地域の地質構造の理解が一層深まりました。

長野県下伊那郡の大鹿村および飯田市東部でも、バッジョシアンからバトニアンを示す放散虫化石が報告されていますが、岩相分布や地質構造に関しては具体的な情報が得られていない状態です。このように、日本各地でバッジョシアンに関する証拠が次々と発見されていることから、今後の研究が期待されます。この時代の地質学的な理解が一層進むことで、新たな知見がもたらされることでしょう。

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