バッド・レリジョン

バッド・レリジョン（Bad Religion）は、アメリカ合衆国出身のパンク・ロックバンドであり、メロディック・ハードコアというスタイルを確立した先駆的なグループの一つとして知られています。彼らは、同国を代表する現代パンク・ロックの重鎮としても広く認知されています。

1988年発表の3rdアルバム『Suffer』で、彼らは疾走感、叙情性、哀愁を帯びたメロディーライン、「oozin' aahs」と称される重厚なコーラスワークといった、バンドの音楽的な特徴を確立しました。その後、1994年発表の8thアルバム『Stranger Than Fiction』で、バンドとして初めて商業的な成功を収め、この作品で日本デビューも果たしました。古巣であるエピタフレコードに復帰してからも、彼らはコンスタントに新作を発表し続け、2013年に発表された16thアルバム『True North』は、Billboard 200のアルバムチャートでバンド史上最高位となる19位を獲得しました。

結成以来、バッド・レリジョンは世界情勢、戦争、貧富の差といった問題に真摯に向き合う姿勢を貫き続けています。彼らの歌詞のテーマは、宗教的なものから人間の生き方を問う哲学的なものまで多岐にわたり、難解なことで知られています。時には、母語話者でさえ辞書を引かなければ理解できないほどの難解な語彙を多用するため、一部からは「レキシコン・パンクス」とも呼ばれています。楽曲のほとんどは、グレッグ・グラフィン（Vo.）またはブレット・ガーヴィッツ（Gt.）によって作曲されています。

メンバー

グレッグ・グラフィン (Greg Graffin) - ボーカル (1980- ): バンドの事実上のリーダーであり、コーネル大学で生物学の博士号を取得し、UCLAで講師を務める。
ブレット・ガーヴィッツ (Brett Gurewitz) - ギター (1980-1983, 1987-1994, 2001- ): エピタフレコードの社長であり、「ミスター・ブレット」の愛称で親しまれています。
ジェイ・ベントリー (Jay Bentley) - ベース (1980-1982, 1986- ): エピタフレコードの社員業が忙しくなる以前は、バンド活動の傍らバイクのメカニックをしていました。
ブライアン・ベイカー (Brian Baker) - ギター (1994- ): 元マイナー・スレットのメンバーで、当時はベースを担当していました。
マイク・ディムキック (Mike Dimkich) - ギター (2013- )
ジェイミー・ミラー (Jamie Miller) - ドラムス (2015- ): 元...And You Will Know Us By The Trail Of Deadのメンバー。

旧メンバー

過去には、ジェイ・ジスクラウト、ピート・ファインストーン、ポール・デドナ、デイビー・ゴールドマン、グレッグ・ヘトソン、ティム・ガレゴス、ジョン・アルバート、ラッキー・レーラー、ボビー・シェイヤー、ブルックス・ワッカーマンといったメンバーが在籍していました。

略歴

1980年にロサンゼルスで結成されたバッド・レリジョンは、1981年にデビューEP『Bad Religion』をリリースし、ブレット・ガーヴィッツが中心となってエピタフレコードを設立しました。1988年の3rdアルバム『Suffer』のリリース後、1994年にはブレットが脱退し、ブライアン・ベイカーが加入しました。その後もメンバーチェンジを経ながら、エピタフへの復帰や新作のリリースを続け、現在に至ります。

バッド・レリジョンは、その音楽性とメッセージを通じて、パンク・ロックの精神を体現し続けているバンドとして、世界中のファンから支持されています。

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