バッド・ワールド・ツアー

Bad World Tour

Bad World Tourは、マイケル・ジャクソンが1987年9月から1989年1月まで行った最初の世界規模でのツアーです。その間に、15か国で123回の公演が開催され、約440万人が足を運び、収益は1億2500万ドルという驚異的な数字を記録しました。特に日本での公演は話題となり、ツアーの成功を決定づけるものでした。

日本公演 (1987年9月12日 - 10月12日)

日本では、90人以上のスタッフと共に来日したマイケルは、日本テレビと読売テレビの記念企画として3回の公演を予定していましたが、チケットの高需要により追加公演も行われました。特にマイケルが来日する前には、特定のプレイベントがあり、そのおかげで公演が盛り上がりました。

マイケルは、日本滞在中に特にかなりの時間をダンスの練習に費やし、ホテルには彼専用のダンスフロアが用意されました。また、ペットのチンパンジー、バブルスも同行し、マイケルの活動を和ませる存在として注目されました。公演中、彼は日本の食文化にも魅了され、特に味付け海苔をお気に入りのスナックとして楽しんでいました。

1987年の公演は、過去のジャクソンズの『ヴィクトリー・ツアー』をベースに構成され、選曲には『スリラー』や『BAD』などの新しい要素も加えられました。ステージのデザインコンセプトは、彼の映画『キャプテンEO』にインスパイアされたもので、宇宙船の不時着を表現していました。公演の最中、マイケルは自らの言葉で観客に向けて日本語を試みる場面もあり、これがファンを驚かせました。

音楽パフォーマンス中、マイケルは観客とのインタラクションを大切にしており、特に多くのファンが詰めかけた後楽園球場では、その音が皇居まで届いたと言われています。各公演ではVIP席が設けられ、養護施設の子どもたちやスタッフが招待され、マイケルは観客に感謝の意を表しました。

オーストラリア公演 (1987年11月13日 - 28日)

その後、オーストラリアに向かったマイケル・ジャクソンは、現地メディアから「クロコダイル・ジャクソン」と呼ばれるなど、新たな展開を迎えました。オーストラリアのツアーでは、スティーヴィー・ワンダーとの共演もあり、盛り上がりを見せました。この時期には、ニュージーランドの公演がキャンセルされるなどのトラブルもありましたが、ツアーは無事に進行しました。

アメリカ公演 (1988年2月 - 5月)

アメリカでの公演は、カンザスシティからスタート。以前のツアーと比較して、より多様な選曲や衣装が取り入れられ、新たなパフォーマンスが展開されました。特に、タチアナ・サムツェンとの共演など、観客を驚かせる新しい試みが見られました。

ヨーロッパ公演 (1988年5月 - 9月)

ツアーのヨーロッパ段階では、座席のないオール・スタンディング型の会場で数百人の観客が失神する事態も発生しました。その中でも、ベルリンの壁の前での公演は大きな話題となり、歴史的な出来事と関連付けられることになりました。

最終公演 (1988年12月)

1988年12月には東京ドームでの公演が行われ、マイケルはさらに日本のファンの心を掴みました。彼は長丁場のツアーを乗り越えるために食生活にも変化をもたらし、軽食や鶏肉、魚を取り入れ始めました。このツアーは彼のキャリアにおいて忘れられない出来事として位置づけられるでしょう。マイケルは、ツアーを通じて多くのファンと絆を深め、世界的な音楽アイコンとしての地位を確立しました。

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