バッファロー・トム

バッファロー・トムは、1987年にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにて産声を上げたロックバンドです。彼らは、同じくマサチューセッツ州アマーストにあるマサチューセッツ大学の学生だったメンバーたちの出会いからその歩みを始めました。

バンドの黎明期において、彼らは当時のオルタナティヴ・ロックシーンを代表するバンドの一つ、ダイナソーJr.の中心人物であるJ・マスシスと緊密な関係を築きました。マスシスは、バッファロー・トムの初期2作、1988年発表のセルフタイトルのデビューアルバム『Buffalo Tom』と、1990年のセカンドアルバム『Birdbrain』のプロデュースを手掛け、彼らのサウンド構築に重要な役割を果たしました。

90年代に入ると、バッファロー・トムは大きな成功を収め、オルタナティヴ・ロックシーンにおける主要な存在へと成長します。特に、1992年の『Let Me Come Over』でその知名度を高めた後、1993年にリリースされたアルバム『Big Red Letter Day』は全米チャートで最高8位という高位を記録し、広くリスナーに受け入れられました。続く1995年のアルバム『Sleepy Eyed』は、さらに成功を拡大し、全米チャートで最高4位にランクインしました。これらの作品のヒットにより、バッファロー・トムは90年代を象徴する人気オルタナティヴ・ロックバンドの一つとして、その地位を確立しました。

バンドはその後も精力的な活動を継続していますが、時期によってはメンバーそれぞれの活動や生活の都合により、一時的に音楽制作やライブ活動から距離を置く期間を挟んでいます。しかし、その都度バンドとしての歩みを再開し、コンスタントに新作を発表し続けています。これまでに、彼らは計9枚のオリジナルスタジオアルバムを発表しています。

彼らの作品リストは以下の通りです。

スタジオアルバム:
『Buffalo Tom』（1988年）
『Birdbrain』（1990年）
『Let Me Come Over』（1992年）
『Big Red Letter Day』（1993年）
『Sleepy Eyed』（1995年）
『Smitten』（1998年）
『Three Easy Pieces』（2007年）
『Skins』（2011年）
『Quiet And Peace』（2018年）

また、オリジナルアルバム以外にも、シングルのB面曲や未発表音源などを集めたコンピレーションアルバム、そしてライブパフォーマンスを収録したアルバムなどもリリースしています。

その他の作品（コンピレーション、ライブアルバムなど）:
『Asides from Buffalo Tom』（2000年）
『A Lull in Traffic』（2002年）
『Instant Live 6/10/05 Paradise, Boston, MA』（2005年）

バッファロー・トムは、メロディアスでありながらもどこか内省的な、そして力強いサウンドで、90年代のオルタナティヴ・ロックシーンに確かな足跡を残しました。現在も活動を続ける彼らは、当時のファンはもちろん、新たなリスナーからも支持を集めています。彼らの音楽は、時に感傷的に、時に力強く、聴く者の心に響き続けています。

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