バッファロー・バイユー

バッファロー・バイユーは、アメリカ合衆国テキサス州南東部、ハリス郡を流れる全長約85kmのバイユー（低湿地を流れる小川）です。ヒューストン西郊のケイティ市に源を発し、ヒューストンのダウンタウンを流れ、ヒューストン港のヒューストン・シップ・チャネルへと注ぎます。最終的にはガルベストン湾を経てメキシコ湾へと繋がっています。流域面積は約270km²で、多くの支流を持ち、そのほとんどがヒューストン市内を流れています。このバイユーとその支流の存在から、ヒューストンは「バイユー・シティ」とも呼ばれています。

流路

バッファロー・バイユーは、ケイティに源を発した後、アディックス湖とバーカー湖という二つの人造湖に水を蓄えます。これらの湖は、ヒューストンへの洪水を防ぐための水量調整を主な目的としており、雨量が多い際にはダムの役割を果たします。逆に、レガッタなどのイベント時には放流を行い、水量を調整します。

これらのダムから下流は、テキサス州道6号線の下を東に流れます。バーカー湖からテキサス州道環状8号線までの間には、テリー・ハーシー公園が整備されており、ジョギングやサイクリング、釣りを楽しむ人々の姿が見られます。州道環状8号線から州間高速道路I-610までの区間は、私有地が多いため、一般市民が河岸に近づける場所は限られています。この区間はメモリアル・ビレッジと呼ばれ、ヒューストン・カントリー・クラブやヒューストニアン・ホテル・クラブ＆スパの付近を流れています。

州間高速道路I-610より内側では、バッファロー・バイユーはメモリアル・パークの南側を流れ、再び市民が河岸に近づけるようになります。リバー・オークス・カントリー・クラブやホッグ・バード・サンクチュアリ、バファロー公園の近くを通り、ヒューストンのダウンタウンへと至ります。ホワイト・オーク・バイユーとの合流点であるアレンズ・ランディングは、ヒューストンの発祥の地であり、公園として整備されています。バイユーはそこから東へと流れ、イーストエンド地区を通り、ヒューストン港のヒューストン・シップ・チャネルへと繋がります。

歴史

バッファロー・バイユーは、テキサス州の歴史において重要な役割を果たしてきました。1836年4月には、テキサス独立戦争におけるサンジャシントの戦いが、このバイユーとサンジャシント川の合流点近くで繰り広げられました。この戦いで、サミュエル・ヒューストン率いるテキサス軍が勝利し、テキサス共和国の独立を決定づけました。

同年8月、アレン兄弟がバッファロー・バイユーとホワイト・オーク・バイユーの合流点に上陸し、この地に都市を建設しました。その都市は、サミュエル・ヒューストンの名を取ってヒューストンと名付けられました。この合流点は、アレン兄弟が最初に上陸した場所であることからアレンズ・ランディングと呼ばれています。

かつてのヒューストン港はアレンズ・ランディング周辺にありましたが、現在では公園として整備されています。バッファロー・バイユーの河岸には、初期のヒューストンの史跡や古い埠頭、港湾施設が数多く残されています。

1970年代頃から、ヒューストンの都市化と産業発展に伴い、バッファロー・バイユーの水質は悪化しましたが、2002年からは「マスタープラン」と呼ばれる20年間の再生事業計画が開始され、水質浄化と親水性の高い公園整備が進められています。この再生事業には約8億ドルの費用が投じられており、カヌーやカヤックを楽しむ人々も増えています。

注釈

アレンズ・ランディング：バッファロー・バイユーとホワイト・オーク・バイユーの合流点。ヒューストンの創設者であるアレン兄弟が最初に上陸した場所。
テリー・ハーシー公園：バッファロー・バイユー沿いに整備された公園。ジョギングやサイクリング、釣りが楽しめる。
メモリアル・ビレッジ：バッファロー・バイユーが流れる私有地が多い区間。
マスタープラン：2002年に開始されたバッファロー・バイユーの再生事業計画。

外部リンク

Buffalo Bayou - Handbook of Texasの記事
Buffalo Bayou Watershed (Harris County Flood Control)
Buffalo Bayou Partnership
SWA Group
* The Waterfront Center

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