バトゥカーダ

バトゥカーダ：ブラジル音楽の打楽器の響き

バトゥカーダ（ポルトガル語：batucada）は、ブラジルのサンバという音楽スタイルの一部分を成す、特に打楽器に焦点を当てた演奏方法を指します。このスタイルでは、メロディや歌詞は含まれず、主にリズムと打楽器の音を楽しむことが特徴です。バトゥカーダは、エスコーラ・ジ・サンバやブロコなどと呼ばれる伝統的な音楽グループにおける打楽器隊、通称「バテリア」によって演奏されます。

バトゥカーダの楽器

バトゥカーダの演奏には多様な打楽器が使用されます。具体的には、ペピニキ（ヘピーキ）、スルド、アゴゴ、カイシャ、クイーカ、ティンバ、パンデイロ、ヘコヘコ、アピート、タンボリンなどが挙げられます。これらの楽器は、ブラジルの音楽に特有なリズムを生み出し、ダンスや祭りの場において盛り上がりを見せます。

バトゥカーダは、そのスタイルが時間と共に進化してきたことも特徴です。特に日本のバトゥカーダ向上チームでは、約10～15年前のスタイルが引き継がれている一方、ファンキ（ブラジルのファンクスタイル）やマラカトゥといった新しいリズムも取り入れられています。こうした様々なアプローチにより、バトゥカーダは多様性に富んだ音楽スタイルとなっています。

バトゥカーダの演奏パターン

バトゥカーダには、独特の演奏パターンがいくつかあります。代表的なものには「ブレッキ」、「パラジーニャ」、「オンダ」、「ファンキ」があります。

• - ブレッキ：演奏中に一時的にストップし、その後すぐに再開する技術的なパターンです。このスタイルは、音楽にドラムの飛び跳ねるようなエネルギーを加え、リスナーを引き込みます。

• - パラジーニャ：ブレッキを発展させたパターンで、演奏を一時停止し、特定の楽器（ヘピニキなど）が独自に演奏を続けるスタイルです。この技術は1959年に偶然から生まれ、今ではリオのカーニバルの重要な要素として広く受け入れられています。

• - オンダ：大きな波のようなリズムを持ち、ダイナミックで魅力的な演奏が特徴です。これは聴衆を惹きつけるダンスのリズムとしても人気です。

• - ファンキ：ファンクのリズムが取り入れられたもので、1997年に導入されて以来、さまざまなバテリアで演奏されています。これにより、バトゥカーダは新しい世代の音楽ファンにも支持されています。

主な楽曲やアーティスト

バトゥカーダはブラジル国外でも人気があり、いくつかの著名な楽曲があります。たとえば、アイアート・モレイラによる「セレブレーション・スート」や、ティナ・マリーの「バトゥカーダ・スート」がその代表です。

また、バトゥカーダを代表するミュージシャンにはオロドゥムが挙げられます。彼らはこのスタイルをさらに広め、新しいリズムとともに発展させてきました。

まとめ

バトゥカーダは、ブラジル音楽の中で打楽器が重要な役割を果たす魅力的なスタイルです。そのリズムは聴く人々を引き込み、ダンスや祭りの雰囲気を盛り上げます。現代においてもそのスタイルは進化し続けており、世界中の音楽愛好者に影響を与えています。

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