パンデイロ

パンデイロについて

パンデイロは、ブラジル音楽に欠かせないフレームドラムの一種です。サンバ、ボサノヴァ、ショーロといった様々なジャンルでその独特なリズムを刻みます。ポルトガル語では、ジングル（プラチネイラ）付きのフレームドラム全般を指しますが、日本では特にブラジル音楽で用いられるものを「パンデイロ」と呼ぶのが一般的です。カタカナ表記には「パンデーロ」「パンディロ」といったバリエーションがありますが、ここでは「パンデイロ」で統一します。

パンデイロの構造と特徴

パンデイロの最大の特徴は、プラチネイラと呼ばれる金属製の円盤（ジングル）です。タンバリンと比較してジングル数が少ないため、より明瞭で細かいリズムを表現できます。また、皮の張りを調整することで音の高さを変えることができ、高音、中音、低音の3要素を使い分けることで、多彩なリズムを生み出すことができます。ただし、レガートのような音を繋げる表現は苦手で、4ビートを刻むのは難しいという側面もあります。

パンデイロの種類

パンデイロは、演奏する音楽ジャンルやスタイルによって、サイズや素材が異なります。例えば、ショーロでは10インチ程度の小型で、枠は軽量の木材、ヘッド（叩く面）には山羊革が使われることが多いです。一方、パゴーヂなどのサンバでは、10～12インチとやや大きめで、枠は合板、ヘッドはナイロン（プラヘッド）が一般的です。このように、用途によって最適なパンデイロを選ぶことが重要です。

パンデイロの演奏方法

パンデイロは、他のハンドパーカッションと同様に、ドラムセットに組み込んで演奏されることもあります。スネアスタンドに取り付けたり、改造して他のスタンドに取り付けることもあります。また、ドラムセットに取り付けるための金具が付属した製品も市販されています。さらに、キックペダルに取り付けてバスドラムのように使用する奏者もいます。

パンデイロとカーニバル

かつて、カーニバルのパレードでは、パンデイロは演奏しながら行進する楽器として重要な役割を担っていました。スルドが発明される前は、サンバの基礎的な低音を担う楽器として活躍していました。しかし、楽器の種類が増え、打[[楽器]]隊の人数が増加するにつれて、パンデイロの音は他の楽器の音に埋もれてしまい、本来の演奏が活かせなくなってきました。そのため、ジャグリングのようなパフォーマンス用としての役割が大きくなり、マラバリスタと呼ばれる曲芸師のように、パンデイロを指先で回したり、空中に投げ上げてキャッチするなどのパフォーマンスが披露されるようになりました。しかし、近年では行進を妨げるという理由から、マラバリスタも少なくなってきています。

代表的なパンデイロ奏者

パンデイロ奏者としては、マルコス・スザーノが世界的に有名です。その他、ショーロ演奏ではジョルジーニョ・ド・パンデイロ、ブラジル北東部のフォホーではジャクソン・ド・パンデイロなどが知られています。日本でも、安井源之新、小澤敏也、長岡敬二郎といったプロのパンデイロ奏者が活躍しています。

関連情報

パンデイロは、サンバ、カヴァキーニョ、アゴゴ、タンボリン、スルド、カイシャ、ガンザ、クイーカ、タンタン、ヘコヘコ、ヘピニキ、ショーカリョといったブラジルの他の楽器とも深く関わっています。

外部リンク

ViradaDrums.com
Pandeiro.com
* Pandeiro by Emiliano Benevides at Emiliano.com

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