ババコ

ババコ（学名：Carica pentagona）は、パパイア科に属する常緑性の小高木です。ババコウやババコーとも呼ばれることがあります。学名にある「pentagona」は、果実の断面が五角形をしていることに由来します。

ババコは、マウンテンパパイヤ（Vasconcellea pubescens）とその近縁種であるスティプラータ種（V. stipulata）が自然交配して生まれたと考えられています。原産地はエクアドルで、スペインによる侵略以前から栽培されていたとされています。

特徴

ババコは、パパイア科の植物の中では特に耐寒性が強く、標高2000mの場所でも栽培が可能です。パパイアとは近縁ですが、高温多湿な環境をそれほど必要としません。また、雌花しか咲かないため、種子ができないという特徴があります。年間30個から60個の果実が収穫でき、樹齢は約8年です。

樹高は5～8mほどになり、果実はパパイアよりも細長い形をしています。通常、直径は10cm未満です。味は酸味があり、パパイアにイチゴ、キウイフルーツ、パイナップルを混ぜたような独特な風味を持つと評されます。

ババコは、パパイアと同様に生食のほか、ジュースなどの加工品としても利用されます。また、熟す前の果実を加熱調理して食べることもあります。パパインというタンパク質分解酵素を含んでいる点も、パパイアと共通しています。

普及

ババコの商業栽培は世界的に広がりつつあり、ニュージーランド、イギリス、イタリア、イスラエル、アメリカのカリフォルニア州などで成功事例があります。日本では1980年代から専門誌などで紹介されていましたが、耐寒性が強い一方で、蒸し暑い夏の環境では病害虫が発生しやすいため、まだ広く普及していません。

ババコは、その独特な風味と育てやすさから、今後の普及が期待される果物の一つです。

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