バブルガムクライシス

『バブルガムクライシス THE STORY OF KNIGHT SABERS / MEGA TOKYO 2032-2033』は、1987年から1991年にかけて全8巻がリリースされた日本のOVAシリーズであり、アートミックとAICが制作しました。この作品は、1980年代の視点から描かれる2032年の近未来的なメガ東京を舞台に、ヒロインたちの活躍を中心に物語が展開します。

シリーズ概要

本作は特に、当時のOVAブームの中で、「美少女」、「メカニック」、「エログロ」の三要素が組み合わさり、多くのファンの人気を集めました。物語は、ナイトセイバーズと呼ばれる女性戦士チームが、社会の弱者を守るために非合法なブーマを操る犯罪組織に対抗する姿を描いています。初期の計画では全13作の制作が予定されていましたが、実際には8作で一区切りとなりました。その後、制作スタジオを変更し、『バブルガム・クラッシュ!』の名で新たにシリーズが続行されましたが、商業的には成功せずに短命に終わっています。

派生作品も数多く存在し、OVAシリーズ『AD.POLICE』や、AICが制作したリメイクテレビシリーズ『バブルガムクライシス TOKYO 2040』などがあります。また、2009年には実写映画化の企画もあり、2012年にはスピンオフ小説も発表されました。音楽プロデュースを手がけた藤田純二は、本作が彼の映像制作の初の試みであったと語っています。

あらすじ

物語の舞台は、2032年に発展したメガ東京です。この都市はかつて東京都と呼ばれていましたが、第2次関東大震災からの復興を経て、今また人々が暮らす街となっています。しかしその陰では、急速に発展する科学技術と社会の格差が拡大し、復興の恩恵を受けられない人々が多く存在します。彼らの中には、ブーマと呼ばれる亜人型の犯罪者が増加し、治安は悪化の一途を辿っています。

ランジェリーショップ「シルキードール」のオーナー、シリア・スティングレイは、この街を影で支配する超巨大企業ゲノムによって父を殺された過去を持ち、復讐と弱者の救済のためにナイトセイバーズを結成します。メンバーたちはそれぞれ異なる背景を持ちながらも、共通の目的に向かって戦います。彼女たちが直面するのは、ゲノムの悪事と犯罪組織の陰謀です。

キャラクター紹介

ナイトセイバーズ

- プリシラ・S・アサギリ（声 - 大森絹子）: 本作の主人公であり、日系人のロックバンドのボーカル。孤児院で育ち、復讐を誓ってナイトセイバーズに参加。
- シリア・スティングレイ（声 - 榊原良子）: ナイトセイバーズのリーダー。頭脳明晰で身体能力に優れている。
- リンナ山崎（声 - 富沢美智恵）: アスレチックセンターのインストラクターで、前向きで明るい性格。
- ネネ・ロマノーヴァ（声 - 平松晶子）: ADポリスの婦人警官で、ハッキング技術を持つメンバー。

ナイトセイバーズの関係者

- マッキー・スティングレイ（声 - 佐々木望）: シリアの弟で、KSのサポートを担当する明るい少年。
- 勝仁・スティングレイ博士（声 - 石丸博也）: シリアとマッキーの故父。偽造人間「アダマ」シリーズの開発者。

ゲノムの中心人物

- クインシー（声 - 川久保潔）: ゲノムの会長で、冷静沈着な老人。
- ブライアン・J・メイスン（声 - 池田秀一）: クインシーの秘書で、シリアとマッキーの直接の敵。

ハードスーツとメカニック

ナイトセイバーズ各メンバーは、特注のハードスーツを装着して戦います。これらのスーツは戦闘能力を飛躍的に向上させ、個々の能力に応じた武装を備えています。また、メンバーたちはモトスレイヴという強力な戦闘支援メカを駆使して、より強力な敵に立ち向かいます。

結論

『バブルガムクライシス』は、深い背景設定と魅力的なキャラクター、未来的な描写を通じて、単なるアクション作品を超えたファンタジーを提供しています。多くのファンに支えられ、今なお語り継がれる作品となっています。

もう一度検索