バリエーション〈変奏曲〉

アルバム紹介: 『バリエーション〈変奏曲〉』

中森明菜の2枚目のスタジオアルバム『バリエーション〈変奏曲〉』は、1982年10月27日にワーナー・パイオニア（現：ワーナーミュージック・ジャパン）からリリースされました。このアルバムは、彼女のデビューアルバム『プロローグ〈序幕〉』から約4か月後に発売された作品です。

アルバムの背景

『バリエーション〈変奏曲〉』は、LP（L-12550）とカセット（LKF-8050）の2形態で同時発表されました。特に初回盤には1983年度版のポートレートカレンダーが封入されており、ファンにとって嬉しい特典となっています。アルバムの帯に記載されたコピーは、「大ヒットアルバム『プロローグ』に続くセカンド・アルバム完成!! ファースト・アルバムとはまた違った、明菜の新しい魅力がここにあります」と、彼女の音楽的成長を多くの人に伝えるものでした。

本作の制作は、前作に引き続き小田洋雄が担当し、収録曲の中でも特に「脆い午後」では京言葉を用いた歌詞が印象的です。このアルバムには、中森自身のキャリアにおいて重要な作品となる理由が隠されています。実際、彼女はこのアルバムと前作、次作となる『ファンタジー〈幻想曲〉』を携えて、1983年2月から全国コンサートツアー「Akina Milkyway '83 春の風を感じて」を開催します。

シングルヒット

先行シングル「少女A」は、1982年7月28日にリリースされ、この曲によって中森は一躍脚光を浴びました。この楽曲は、アルバム発売前の1982年10月18日付のオリコン週間シングルチャートで最高5位を記録。これが彼女のブレイクのきっかけとなりました。

批評と評価

『バリエーション〈変奏曲〉』は、その音楽的多様性についても高く評価されています。『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の批評家である馬飼野元宏は、ファーストアルバムを上回る作風を称賛し、「1枚目に比べヴォーカルも安定し、人懐っこい声質が全編通して魅力的だ」と評価しました。これにより、明菜の音楽はさらに多くのリスナーに愛されることになりました。

チャート実績

アルバムは、オリコン週間LPチャートで1982年11月8日付にて初登場し、見事1位を記録。その後、1982年11月15日付で連続して首位を獲得し、1983年1月24日付でも合計3週にわたって1位を守り続けました。この期間、アルバムは合計29週に渡ってチャートにランクインしており、オリコンの週間カセットチャートでも同じくトップに立ち、34週のランクインを果たしました。LP盤は約44万枚、カセット盤は約30万枚以上の売り上げを記録し、1983年度のオリコン年間アルバムチャートでは第8位にランクインしました。これらの実績からも、本作は中森明菜のスタジオアルバムの中で最大のセールスを誇る作品となっています。

まとめ

『バリエーション〈変奏曲〉』は、中森明菜のキャリアにおいて重要な一歩となった作品であり、彼女の音楽的魅力と成長を見逃せません。複数のヒット曲を生み出し、数々の記録を打ち立てたこのアルバムは、彼女自身の音楽スタイルを確立し、多くのファンに愛され続けています。

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