バルタサール・ガルソン

バルタサール・ガルソン：スペインの著名な判事

バルタサール・ガルソン・レアル（Baltasar Garzón Real）は、1955年生まれのスペインの法曹です。1987年から2011年まで全国管区裁判所の予審判事を務め、数々の重要な刑事事件を調査しました。その活動は、スペイン国内のみならず、国際的な注目を集めました。

経歴

ガルソンは、1979年にセビリア大学を卒業後、1988年に全国管区裁判所の判事となりました。バスク地方で活動するテロ組織ETAの追求を通じて、その名を知られるようになりました。1993年には、スペイン社会労働党(PSOE)の独立系候補として下院議員に選出されましたが、1994年に政権への不信感を理由に辞任し、判事の職に戻りました。

国際的な活動

ガルソンの名前が世界的に知られるようになったのは、1998年にチリのアウグスト・ピノチェト元大統領に対し、スペイン国民弾圧の罪で逮捕状を発行したことがきっかけです。普遍的管轄権の原則に基づき、他国の元首を逮捕するという前例のない事態は、国際社会に大きな衝撃を与えました。

2003年には、ウサーマ・ビン・ラーディンを含む35人をテロ集団のメンバーとして起訴。2005年には、アルカイダの活動家24人をマドリードで裁判にかけるなど、テロ対策にも積極的に取り組みました。また、アルゼンチン海軍軍人のアドルフォ・シリンゴをスペインで裁判にかけ、有罪判決を下しました。

フランコ体制下の犯罪調査

2008年、ガルソンはフランコ独裁体制下の犯罪調査を開始し、10万人以上の失踪者を対象に調査を行いました。しかし、この調査は右派からの強い反発を受け、1977年の恩赦法に違反するという批判を受けました。

資格剥奪とその後

2012年、過去の調査方法の合法性を問われ、スペイン最高裁判所によって有罪判決を受け、11年間の判事活動資格を剥奪されました。現在は、ジュリアン・アサンジが運営する内部告発サイト、ウィキリークスの弁護士を務めています。

ガルソンの活動は、常に賛否両論を巻き起こしてきました。テロや人権侵害といった重大な犯罪に立ち向かう姿勢は評価される一方で、その手法や政治的な立場を巡って批判も少なくありません。しかし、その功績はスペインの司法史に深く刻まれており、現代社会における法の役割について、私たちに多くの問いを投げかけています。

ガルソンの経歴や活動に関するより詳細な情報は、以下の外部リンクから参照できます。

Biography Spain View
Judge Garzón スタンフォード大学
* Judge Baltasar Garzon BBCニュース

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