バルティモラ

バルティモラの音楽史

バルティモラ（Baltimora）は1980年代中期に登場したイタリアの音楽グループで、特にイタロ・ディスコというジャンルで知られています。グループは、フロントマンであるジミー・マクシェインを中心に、マウリツィオ・バッシ、ジョルジョ・コチロヴォ、クラウディオ・バツァーリ、ピエル・ミケラッティ、ガブリエレ・メロッティの6人で構成されていました。

グループの成り立ち

バルティモラの音楽の基盤は、音楽プロデューサーでつくり上げられたものです。1984年初頭、マウリツィオ・バッシは新たなプロジェクトを模索していました。彼は、当時アイルランド赤十字で救命士として働いていたジミー・マクシェインに着目。彼のルックスやダンスのセンスに魅力を感じたバッシは、マクシェインをグループのフロントマンに据えることに決めました。

マクシェインは、異なる髪型や大きな赤いメガネで知られており、その独自性はバンドのイメージに強く寄与しました。彼のサウンドにはマウリツィオ・バッシが大きな影響を与えており、数多くの楽曲は彼らとネイミー・ハケットによって制作されました。

ヒット曲「ターザン・ボーイ」

バルティモラの最も代表的な楽曲は、1985年にリリースされた「ターザン・ボーイ」です。このシングルは瞬く間にヒットし、特にイタリアの音楽シーンで高評価を得ました。イタリアのチャートで初登場5位を記録し、同年の夏にはドイツ、スイス、フランスなど、他の欧州諸国でも成功を収めました。英国チャートでも1985年8月には3位まで上昇し、アメリカでも1986年春に13位に達しました。

興味深い点は、実際のボーカルはマウリツィオ・バッシが担当していたということです。しかし、MVにはフロントマンのジミー・マクシェインがリップシンクをする形で出演しており、彼のカリスマ性が視聴者に強く印象づけられました。「ターザン・ボーイ」は、日本でも後に人気を得ることとなります。

その後の活動と解散

続くシングル「Woody Boogie」もドイツでヒットを記録しましたが、バルティモラにとっては大ヒットの続くということはありませんでした。1stアルバム『Living in the Background』は1985年末にリリースされるも、商業的にはそれほどの成功を収めず、チャートでも20位前後で推移しました。

1987年には2ndアルバム『Survivor in Love』を発表し、再挑戦を試みましたが、シングル「Key Key Karimba」が数カ国のトップ100に入るのみで大ヒットには至りませんでした。結局、アルバムの売れ行き不振を受け、バッシはグループの解散を決定。 これは1990年代初頭のことでした。

その後、1993年にも「ターザン・ボーイ」のリミックス版がBillboard Hot 100に登場し、51位にまで上昇しましたが、これはCMで使用されたことによるものでした。バルティモラは「ミュータント・ニンジャ・タートルズ3」や「ビバリーヒルズ・ニンジャ」にも楽曲が起用されています。

ジミー・マクシェインの死

ジミー・マクシェインは1995年にAIDS合併症により他界しました。彼の死は多くのファンに衝撃を与え、その後、グループの活動は再び注目を浴びることとなります。2010年には公式ベストアルバム『Tarzan Boy: The World Of Baltimora』がリリースされ、今もなお彼らの音楽は色あせることがありません。バルティモラの楽曲は、その後も多くの人々に愛され続けています。

バルティモラは、単なる一発屋と捉えられがちですが、その影響力は脱落できないものであり、彼らの音楽は今なお多くの支持を受けているのです。

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