バルト (映画)

アメリカ映画『バルト』の概要

『バルト』（原題：Balto）は、1995年に公開されたアメリカのフルアニメーション映画で、犬橇レースとその中での冒険を描いた心温まるストーリーが特徴です。この作品は1925年にアラスカのノームで発生したジフテリアの危機を背景にしており、実際に存在した犬を元に制作されています。また、作中の実写部分はセントラルパークで撮影されたことでも知られています。

制作背景

『バルト』は、スティーヴン・スピルバーグがイギリスのアンブリメーションスタジオで手がけた最後のアニメーション映画となり、アカデミー賞を受賞した音楽家ジェームズ・ホーナーが劇中の音楽を担当しました。この映画は、視覚的な魅力と感情の深さで観客を魅了した作品として評価されています。

物語の展開

物語は、セントラルパークで犬橇犬の銅像を求めるおばあちゃんが孫娘に昔話を語る回想シーンから始まります。1925年、アラスカのノームに住んでいた犬と狼の混血犬バルトは、狼の血を理由に仲間外れにされていました。彼の生活の中で唯一の友達は、ガチョウのボリスや白熊のマックとラックです。

ある日、ノームではジフテリアが流行し、多くの子供たちが命の危機にさらされます。血清を運ぶための犬橇チームが編成されますが、悪天候によって血清の輸送は絶望的となります。そこでバルトは、自らの仲間と共に血清を求めて冒険に出ることを決心します。

主要キャラクター

• - バルト: ハスキー犬とオオカミの混血で、孤独な存在。犬橇レースへの憧れを抱いています。
• - ジェナ: 町に住む美しいシベリアンハスキーで、バルトに好意を抱く。
• - ボリス: ユーモアあふれるガチョウで、バルトの良き友人。
• - スティール: 経験豊富なアラスカン・マラミュートのリーダーで、プライドが高い。
• - マック＆ラック: 社会から外れたホッキョクグマの兄弟。
• - ロージー: ジェナの飼い主の少女で、ジフテリアに感染。

彼らの友情や冒険が物語を彩ります。

脚色について

映画は「これは実話である」とのテロップが流れますが、実際のバルトは野良犬ではなく、また狼との混血でもありません。実際の血清輸送はリレー形式で行われ、バルトはその最後を担った犬の一匹です。アニメではバルトの大きな目が描かれ、彼の微妙な感情を表現する工夫がなされています。

続編と関連作品

『バルト』には二つの続編があり、どちらもフィクションの物語です。また、同じ実話を題材にした映画『トーゴー』も関連する作品として知られています。これにより、バルトの冒険は世代を超えて受け継がれています。

この映画は、友情や勇気の重要さを教えてくれる感動的な作品で、今なお多くのファンに愛され続けています。

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